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Microsoft、音声認識モデル「MAI-Transcribe-2」を公開 60言語対応で価格を72%引き下げ

Microsoft、音声認識モデル「MAI-Transcribe-2」を公開 60言語対応で価格を72%引き下げ
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Microsoft AI は 2026 年 9 月 3 日、新しい音声認識モデル「MAI-Transcribe-2」を公開しました。60 言語に対応し、独立系の評価機関によるベンチマークでも高い精度と速度を示しており、音声文字起こし市場における Microsoft の存在感が高まりそうです。

注目すべきは価格の大幅な引き下げです。音声 1 時間あたりの料金は 0.10 ドル(約 15 円)で、前モデルの 0.36 ドル(約 54 円)から 72% 安くなっています。たとえば年間 10 万時間の通話を処理するコールセンターであれば、年間コストが 36,000 ドル(約 540 万円)から 10,000 ドル(約 150 万円)へと大幅に圧縮される計算です。ただしこの料金は 2026 年末までの期間限定のプロモーション価格であり、2027 年以降の正式な価格は現時点では公表されていません。

処理速度についても、Microsoft は競合サービスとの比較を公表しています。同社によると、OpenAI の GPT-Transcribe より最大 10 倍、Google の Gemini 3.5 Transcribe より 5 倍高速で、1 時間分の音声をわずか約 10 秒で文字起こしできるとしています。独立系ベンチマーク機関 Artificial Analysis による精度と速度を組み合わせた総合評価でも首位を獲得しており、一定の信頼性はあると言えます。

機能面では、会話の中で誰が話したかを自動的に識別する話者分離(*)や、英語とヒンディー語が混在するような多言語会話への対応など、実務での利用を想定した機能が充実しています。また、フィラーワード(「えー」「あの」など)をすべて残す逐語スタイルと、議事録向けに読みやすく整えたクリーンスタイルを選べる点も実用的です。

前モデル MAI-Transcribe-1.5 の誤り率が 3.7% だったのに対し、今回は 5.2% とやや高くなっている点は留意が必要です。これは対応言語が 43 から 60 に増えたためとみられますが、言語によって精度にばらつきがある可能性もあります。

今回の発表は、音声認識をめぐる大手テック企業の動きが活発化しているという大きな流れの一部でもあります。OpenAI や Google、Meta といった企業も相次いで音声認識モデルの強化や新機能の発表を続けており、競争は激しさを増しています。背景には、会議の議事録作成やコールセンターの通話記録、医療現場での音声入力など、ビジネス用途での需要の高まりがあるとみられます。音声認識は導入効果がわかりやすく、企業が継続的に利用しやすい分野だけに、各社とも法人顧客の獲得を強く意識したリリースが続いているといえそうです。


*API上は最大35人を指定できますが、実用精度は不明です(先日発表のあったMuse Voice Transcribeは「20人超への対応を明示」しています)