音声 AI スタートアップの Cartesia は 2026 年 8 月 18 日、最新の音声合成モデル「Sonic-3.6」をベータ版として公開しました。前バージョン「Sonic-3.5」から 3 ヶ月というペースでのアップデートです。
性能面では、第三者機関 Artificial Analysis が運営する音声モデルの評価ランキングで 2 部門すべて首位を獲得しています。特に注目されるのは「Controlled Voice」ボードで、これはすべてのモデルに同じ音声サンプルを読ませてエンジン自体の品質を比較するものです。ここでも Sonic-3.6 が 1 位となり、Sonic-3.5 が 2 位、ElevenLabs の Eleven v3 が 3 位という結果でした。Cartesia は音声合成(TTS)と音声認識(STT)の両部門でトップに立つ唯一の企業であると説明しています。
技術的な特徴として、多くの AI モデルが採用するトランスフォーマーとは異なるアーキテクチャを使用しており、音声が出力され始めるまでの時間を 90 ミリ秒未満に抑えています(同社発表値)。これは音声を使った AI エージェントやリアルタイム通話システムでの応答の速さに直結する数値です。対応言語は 44 言語で、前バージョンから 2 言語追加されたほか、インド市場向けにヒンディー語や英語とヒンディー語が混じった「Hinglish」の品質も改善されています。
実務での活用を想定した機能も充実しています。テキスト中に笑い声や間といった表現を指定するタグを埋め込む機能、10 秒ほどの音声サンプルから話者の声を再現するボイスクローニング、読み方を細かく指定できる発音辞書、そして話速・音量・感情といったパラメータを API で制御する機能などが用意されています。
同社は 2026 年 6 月 16 日に音声認識モデル「Ink-2」も公開しており、Sonic-3.6 と組み合わせることで音声の入出力を一貫して処理できる環境が整います。Ink-2 は現時点では英語のみの対応で、他言語への展開は今後予定されています。
サービスはクラウド経由の API として提供されており、モデル自体を自社サーバーで運用する形式には対応していません。料金は月額 $299(約 4 万 4,850 円)の Scale プランで約 10,667 分の音声合成と 15 件の同時リクエストが利用できます。
Cartesia は 2023 年創業のサンフランシスコ発スタートアップで、これまで 3 回の資金調達ラウンドを経て合計 1 億 9,100 万ドル(約 286 億 5,000 万円)を調達しています。
