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ドイツ銀行 CIO が語る AI 活用の現場、スピードと費用対効果の両立に挑む

ドイツ銀行 CIO が語る AI 活用の現場、スピードと費用対効果の両立に挑む
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ドイツ銀行が AI の導入で業務スピードを大きく改善しています。同行インベストメントバンク部門の CIO、Denis Roux 氏が 2025 年 6 月 18 日に Reuters の取材で明かしました。

「以前は 2 年かかっていたプロジェクトが、今では 3 〜 6 ヶ月で完了するようになった」と Roux 氏は言います。かつて数ヶ月分も積み上がっていた未処理業務も、今では数週間で対処できるようになっています。具体的には、財務データの自動集計・分析や、地政学リスクが自社ポートフォリオに与える影響をタイムリーに可視化するツールの開発などに AI を活用しています。

ドイツ銀行はインドに約 9,000 人のテクノロジー人材を擁しており、同行のテック人材全体の約 45 % をインドが担っています。全社的な AI 推進は「AI Forward」プログラムが主導しており、すでに 2 万人の社員が AI の基礎知識と安全な利用方法に関する研修を受けています。

行内開発の AI ツール「DB Lumina」は、リサーチや投資銀行部門を中心にすでに約 5,000 人が活用中です。現場のアナリストからは「決算メモの作成時間が 30 〜 45 分縮まった」「リサーチレポートや説明資料の準備が最大 2 時間短縮された」といった効果が報告されています。

一方、コストの増加という現実的な問題も出てきています。OpenAI や Anthropic など主要 AI ベンダーが定額制から従量課金制へ移行しており、利用量が増えるほど費用がかさむ構造になっています。ドイツ銀行ではこれに対応するため、エンジニアごとに AI の利用上限を設定し、追加利用を希望する場合は業務上の必要性を説明させる仕組みを整えています。Roux 氏は「利用状況はしっかり把握している。スピードを落とすつもりはないが、投資対効果は当然問われる」と話しており、規律ある運用を徹底しています。

Roux 氏はまた、AI を何にでも当てはめる姿勢には慎重です。効果が高いと判断したプロジェクトに最新の AI を集中させ、日常的な定型業務にはシンプルなモデルや既存システムで対応するという使い分けを明確にしています。こうした取り組みへの社内の関心は高く、AI 活用アイデアを募る社内公募には 100 日間で 100 件以上の提案が寄せられました。

生産性の向上とコスト管理をどう両立させるか。この問いはドイツ銀行だけでなく、AI を本格導入しつつある企業が広く直面する共通課題となっています。