Anthropic カンファレンス・調査報告

Anthropic、約40万件のClaude Code利用状況を分析—AIコーディングの成否は専門知識

Anthropic、約40万件のClaude Code利用状況を分析—AIコーディングの成否は専門知識
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Anthropic は 2026 年 6 月 16 日、AI コーディングツール「Claude Code」の実際の使われ方を大規模に分析した研究論文を公開しました。約 23 万 5,000 人、約 40 万件の利用データをもとにしたもので、AI が仕事の現場にどのように入り込み、どのような役割を担っているのかを具体的な数字で示しています。

この研究から見えてきた最大のポイントは、人間と AI の役割分担がかなり明確になっているという点です。「何を作るのか」「どこまでできれば完了なのか」といった判断は、ユーザーが約 70% を担っています。一方で、「実際にコードを書く」「ファイルを修正する」といった作業は、Claude が約 80% を担当しています。つまり、人間が目的やゴールを示し、AI がその実行部分を担う。そうした使い方が、すでに自然な形で定着しつつあることがわかります。

この研究が特に興味深いのは、もう一つの重要な発見にあります。それは、「AI コーディングツールはエンジニアでなければ使いこなせない」という思い込みが、データによって否定されたことです。管理職、弁護士、営業職といった非エンジニアのプロジェクト成功率は 29〜34% で、ソフトウェアエンジニアの 34% とほとんど変わりませんでした。むしろ管理職は、全職種の中で最も高い成功率を記録しています。この結果からは、プログラミングの知識そのものよりも、自分の業務や業界を深く理解していることの方が、成果に直結していることがうかがえます。

Claude Code の使われ方も、この 7 カ月で大きく変化しています。2025 年 10 月から 2026 年 4 月にかけて、バグ修正に使われる割合は 33% から 19% に低下しました。その一方で、システムの運用管理は 14% から 21% に増え、文章作成やデータ分析も約 10% から 20% へと伸びています。これは、Claude Code が単なる「エンジニアの作業補助ツール」から、ビジネス全般を支える道具へと用途を広げていることを示しています。こうした変化を反映するように、1 回の利用あたりが生み出す業務価値—同等のタスクをフリーランサーに依頼した場合の市場価格をもとに算出—も、同じ期間で 27% 高まっています。用途が高度化・多様化するにつれて、1 回の利用で代替できる仕事の量と質が増しているといえます。

研究者たちは、これらの結果を踏まえ、「ソフトウェア開発はエンジニアだけのものではなくなりつつある」と指摘しています。これから重要になるのは、コードを書けるかどうかだけではありません。むしろ、何を実現したいのかを明確に描けるかどうか、そして自分の業務をどれだけ深く理解しているかが、AI を使いこなす上での本当の差になっているようです。