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AMD、初のラックスケール AI システム「Helios」を正式出荷へ——マイクロソフトが採用を発表

AMD、初のラックスケール AI システム「Helios」を正式出荷へ——マイクロソフトが採用を発表
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AMD が、大規模 AI 処理向けの新システム「Helios」をいよいよ顧客へ出荷する段階に入りました。 2026 年 7 月 20 日(月)にはマイクロソフトが自社データセンターへの採用を発表し、すでに導入を決めていた Meta・ OpenAI・ Oracle に続く顧客となりました。実際の出荷は 2026 年後半を予定しています。

Helios は、 72 基の高性能 GPU を自社製の CPU およびネットワーク機器と一体設計したシステムです。一つの機器ラック全体で膨大な AI 計算をこなせる点が最大の特徴で、搭載するメモリの総量は 31 TB と、競合製品と比べても際立った水準にあります。

ライバルとなる Nvidia の「Vera Rubin」と比べると、メモリ容量の差が目を引きます。 GPU 1 基あたりのメモリは Helios が 432 GB に対し Vera Rubin は 288 GB で、ラック単位では Helios が約 50% 多くなります。大規模な AI モデルを動かす際にはメモリ量がボトルネックになりやすいため、この差は実運用で意味を持ちます。ただし価格は Helios が 500 〜 550 万ドル(約 75 〜 82 億円)と、 Vera Rubin の 350 〜 400 万ドル(約 52 〜 60 億円)より高めです。また AI モデルの学習速度や、長年にわたって培われた Nvidia のソフトウェア基盤( CUDA )の充実度では、現時点でも Nvidia が一歩リードしています。

採用企業の顔ぶれを見ると、 AMD への期待の高さがわかります。 Meta は 2026 年中に大規模な導入を計画しており、 Oracle は Helios を使ったスーパーコンピュータを構築中です。インドの IT 大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ( TCS )も採用を表明しました。マイクロソフトは Azure 上でのフロンティア AI モデルの提供や、企業向けサービスへの活用を見込んでいます。

ビジネス面での成長も顕著です。 AMD の 2026 年第 1 四半期におけるデータセンター向け売上高は、前年同期比 57% 増の 57.8 億ドル(約 8,670 億円)を記録しました。マイクロソフトとの提携発表を受け、 AMD 株は 7 月 21 日(月)に約 5% 上昇しています。

一方で、ソフトウェア面の遅れは引き続き課題です。調査会社 Counterpoint Research のアナリスト、 Neil Shah 氏は「ハードウェアの性能が拮抗しても、勝負を決めるのはソフトウェアと最適化の質だ」と指摘します。 Nvidia が長年かけて構築した開発者向けエコシステムを短期間で追い越すのは容易ではありません。 AMD は 2026 年 7 月 23 日にサンフランシスコで年次 AI イベント「Advancing AI 2026」を開催予定で、次世代製品の発表も予想されます。