画像生成

Canva、自社開発のAI画像生成モデル「Canva Craft」を正式リリース

Canva、自社開発のAI画像生成モデル「Canva Craft」を正式リリース
文字サイズ

デザインツール大手の Canva は 2026 年 10 月 22 日、同社初となる自社開発の AI 画像生成モデル「Canva Craft」を正式に公開しました。開発を担ったのは社内の AI 研究部門「Canva Research」で、同チームが外部向けにモデルを公開するのは今回が初めてです。

AI 画像生成モデルを評価する「DesignArena」というランキングサービスでは、公開初日から世界 4 位を記録しました。上位 3 枠はいずれも OpenAI のモデルが占めており、Canva は「研究機関として見れば OpenAI に次ぐ世界 2 位」と位置づけています。ただし、このランキングは Canva 自身が引用しているものであり、第三者による独立した検証は現時点では十分に行われていない点には注意が必要です。

Craft の強みは、学習データの選び方にあります。多くの競合モデルが写真を中心に学習しているのに対し、Craft は Canva が持つ膨大なデザインテンプレート——ポスター、SNS 用バナー、インフォグラフィックなど——を軸に訓練されています。そのため、実際のビジネス用途に即したレイアウトや視覚表現が得意で、 55 言語のテキストを画像内に正確に描画できる点も特徴のひとつです。出力画像は最大 2K 解像度に対応しています。

料金は 1 枚あたり $0.03(約 4.5 円)と、首位モデルの $0.05(約 7.5 円)より安く抑えられています。一方、生成にかかる時間は 54 秒と首位の 26.7 秒に比べて約 2 倍かかるため、スピードが求められる用途では現時点で見劣りします。Canva はより高速な「Craft-fast」「Craft-ultrafast」の近日公開も予告しており、この課題への対処を進めています。

Canva がここまで急いで自社モデルを開発した理由は、コスト構造の見直しにあります。 2026 年 8 月、同社は AI 機能の運用コストが計画を大きく超えたとして、年間の収益成長率予測を 30% から 20% へ修正しました。 CEO のメラニー・パーキンス氏は株主へ宛てた書簡の中で「外部のフロンティアモデルへの依存度が高すぎた」と率直に認めています。年間経常収益 40 億ドル(約 6000 億円)、月間アクティブユーザー 2 億 6500 万人という規模を持つ同社にとって、AI の処理コストを自社でコントロールできるかどうかは、収益性に直結する問題です。

Craft は Canva の「Dream Lab」タブからすぐに試せるほか、公開 API を通じて外部サービスへの組み込みも可能です。 ChatGPT や Gemini からも接続できる仕組みが整っており、マーケティングツールや EC サイトへの活用も見込まれています。