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中国の輸出が AI 関連を中心に急拡大、構造的な内需低迷との二重構造が鮮明に

中国の輸出が AI 関連を中心に急拡大、構造的な内需低迷との二重構造が鮮明に
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中国税関当局が 2026 年 9 月 9 日に発表した 8 月の貿易統計によると、輸出は前年同月比 25% 増と、7 月の 23.9% 増をさらに上回りました。輸出総額は月間 4,014 億ドル(約 60 兆 2,100 億円)に達し、貿易黒字も 1,190 億ドル(約 17 兆 8,500 億円)と 7 月の 1,125 億ドル(約 16 兆 8,750 億円)から膨らんでいます。

成長を引っ張っているのは、半導体・ EV ・ AI 関連のハイテク製品です。 1 月から 8 月の累計では、ハイテク製品輸出がドル建てで 42.9% 増、なかでも半導体輸出は 129.8% 増と前年比で 2 倍以上に拡大しました。興味深いのは、輸出量の増加が 4.1% 増にとどまる一方で、輸出額は倍増していることです。これは単に売れている量が増えたのではなく、より高い価格で売れる製品を中国が作れるようになってきた、ということを意味します。 BNP パリバ・アセットマネジメントのシニアストラテジスト、 Chi Lo 氏は「中国は製品の付加価値を高める方向に着実にシフトし、 AI インフラと産業自動化の分野で存在感を増している」と述べています。

ただし、国内に目を向けると明暗が分かれます。 2026 年第 2 四半期の GDP 成長率は前年比 4.3% と 3 年ぶりの低い水準で、政府目標の 4.5〜 5% を下回りました。不動産開発投資は 2026 年上半期に前年比 18% 減と落ち込みが続き、住宅市場の不振は 5 年目に入っています。政府は国有銀行や保険会社に対して約 540 億ドル(約 8 兆 1,000 億円)を投じる対策を打ちましたが、消費や投資が本格回復する気配はまだ見えません。

輸出先の顔ぶれも変わってきました。 2025 年は対米輸出がドル建てで 20% 減と大きく落ち込みましたが、アフリカ向けが 25.8% 増、 ASEAN 向けが 13.4% 増、 EU 向けが 8.4% 増と、新興市場や欧州への振り向けが進んでいます。米国の高関税による影響を、着実に分散させている形です。

今後の焦点となるのは、米中間の貿易摩擦の行方です。米国は 2025 年 12 月、 Section 301 調査に基づく中国製半導体への追加関税の適用を 2027 年 6 月まで延期すると発表しましたが、その後の対応はまだ固まっていません。また、 9 月下旬に予定される習近平・トランプ会談でも貿易が主要テーマになる見通しで、その結果次第では状況が大きく変わる可能性があります。

ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、 Sarah Tan 氏は「国内需要が弱いうえに外部リスクも高まっている。輸出は経済を支える大きな柱だが、それだけでは限界がある」と指摘しています。輸出の好調と内需の弱さという二つの顔を持つ中国経済は、難しい局面が続きそうです。それでも、半導体や AI 関連の輸出については拡大基調が続くとみられており、中国製品の技術水準が着実に上がっている以上、この流れが短期間で止まる可能性は低いと多くのアナリストは見ています。米国が規制や関税で圧力をかけ続ける一方で、グローバル市場における中国のプレゼンスは今後もじわじわと高まっていくことが予想されます。