米国の AI 開発企業 xAI は、2026 年 7 月 29 日に音声 AI モデル「Grok Voice Think Fast 2.0」を発表しました。前バージョン「Think Fast 1.0」が登場したのは同年 4 月のこと。わずか 3 か月足らずで大幅なアップデートが届いた形です。
今回の最大の変化は、話しながら考えられるようになった点です。従来のモデルは考え終わってから話し始める構造でしたが、Think Fast 2.0 は話している最中も並行して推論を進めます。その結果、処理に必要な計算量が前バージョン比で約 60% 減り、応答の質は上がりました。たとえば「在庫を確認して」と話しかけると、AI が「はい、確認します」と返事をしている間に、裏側ではすでにデータベースへのアクセスが完了している、というイメージです。返事と処理が同時に進むため、会話の流れを止めずにタスクをこなせます。
応答速度も目に見えて改善しています。最初の音声が出るまでの時間は 1.25 秒から約 0.70 秒へ短縮されました。第三者評価機関 Artificial Analysis の調査では、評価対象の上位 5 モデルの中で 1 秒を切ったのは Think Fast 2.0 だけです。総合スコアも 82.9% と、OpenAI の GPT-Realtime-2.1(79.1%)や Google の Gemini 3.1 Flash(69.5%)を上回りました。音声エージェントの実用性を測る τ-voice ベンチマークでは 56.5% で現時点の首位につけています。
使い勝手の面では、対応言語が 25 以上に広がり、騒がしい環境やさまざまな訛りへの認識精度も向上しました。文字起こしの正確さについては、ノイズの多い環境において既存モデルとの差が最大 10 倍に達するとxAIは説明しています。
すでに Starlink の電話サポートサービスで導入テストが行われており、販売の成約率と問題解決率の両方で改善が見られたと発表されています。カスタマーサポートや営業対応など、実業務での活用が視野に入ります。
価格は $0.05(約 7.5 円)/分から $0.08(約 12 円)/分へ変更となり、1 時間あたり $4.80(約 720 円)となります。
音声 AI の競争が激しさを増す中、xAI は今回のリリースで OpenAI や Google に対して一歩先んじた形です。低遅延かつ高精度な音声モデルは、企業の業務効率化を支える基盤として今後ますます注目を集めそうです。
