政府・行政

AI で科学成果を10年で2倍に、米国のジェネシス・ミッションが本格始動

AI で科学成果を10年で2倍に、米国のジェネシス・ミッションが本格始動
文字サイズ

米エネルギー省( DOE )は 2026 年 7 月 22 日、ワシントン D.C. で「ジェネシス・ミッション・サミット」を開催し、同省が主導する国家 AI 科学プロジェクトの初年度の成果を発表しました。ジェネシス・ミッションは 2025 年 11 月 24 日にトランプ大統領の大統領令(第 14363 号)で始まった取り組みで、AI と先進コンピューティングにより米国の科学的生産性を実質的に倍増させることを目標に掲げています。

今回発表されたのは、公募( RFA )に対する第 1 弾の採択結果です。全米 50 州から 5,000 件超の応募があり、278 件が選ばれました。主導機関の内訳は大学が 168 件、DOE と国家核安全保障局( NNSA )の国立研究所が 87 件、企業が 19 件、非営利団体が 4 件。参加機関は国立研究所 16 、大学 142 、企業 157 などを合わせて 342 に上ります。

対象分野は、小児がんや新薬開発といった医療、電力網の近代化と原子力、半導体の設計、自律型研究室や量子システム、生物学的脅威の検知など多岐にわたります。単独で最大規模となるのは、アイダホ国立研究所が主導する原子力プロジェクト「 Prometheus 」で、3 年間で 6,000 万ドル(約 98 億円)が投じられます。採択チームは、AI エージェントの基盤や産業界の AI モデル、国立研究所の計算資源を利用できます。

資金面では、3 月に公示された約 2 億 9,300 万ドル(約 480 億円)の枠を大きく超え、連邦政府全体で 50 億ドル(約 8,190 億円)超へのコミットメント拡大が示されました。パートナー側からも 8 億ドル(約 1,310 億円)超の拠出が表明されています。ただし今回の採択は交渉に入るための選定で、資金提供が確定したわけではありません。

日本が初の国際パートナーとして正式に参画したことも発表され、サミットでは山田重夫駐米大使との対話セッションも設けられました。今回の 278 件は初期段階の Phase I が中心で、成果を出したチームはより大規模な Phase II に進む仕組みです。今後追加の公募も予定されています。