Cursor Elon Musk xAI / SpaceX プログラミング・コーディング 資金調達

SpaceX と Cursor が提携、SpaceX 上場後の買収を視野に 600 億ドルのオプション権を取得

SpaceX と Cursor が提携、SpaceX 上場後の買収を視野に 600 億ドルのオプション権を取得
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SpaceX は 2026 年 4 月 21 日(月)、AIコーディング支援ツール「 Cursor 」を手がけるスタートアップ Anysphere 社との提携を発表しました。あわせて、同社を 600 億ドル(約 9 兆円)で買収できるオプション権を取得したことも明らかにしています。なお、買収が実現しない場合でも SpaceX は 100 億ドル(約 1 兆 5,000 億円)を支払う契約となっています。

Cursor は、 MIT 出身の 4 名が 2022 年に立ち上げた Anysphere 社の主力プロダクトです。プログラマーの開発効率を高めるツールとして急速に普及しており、 2026 年 2 月時点での年間売上( ARR )は 20 億ドル(約 3,000 億円)に達しています。これは B2B のソフトウェア企業としては異例の速さで、すでに Fortune 500 企業の半数以上が導入しています。 Nvidia 、 Salesforce 、 Uber 、 Stripe といった名だたる企業が顧客リストに並んでいます。

このディールには、土壇場での方針転換という背景があります。発表の数時間前まで Cursor は、アンドリーセン・ホロウィッツや Nvidia などの投資家から計 20 億ドル(約 3,000 億円)を調達する交渉を進めており、企業価値は 500 億ドル(約 7 兆 5,000 億円)での合意が目前とされていました。 Microsoft も買収に関心を示していたと CNBC が報じていますが、最終的に入札には踏み切りませんでした。

SpaceX が買収の実行を IPO 後に持ち越しているのは、上場によって得られる公開株式を取得資金に充てる狙いがあるためです。同社は 2026 年 4 月 1 日に SEC へ上場申請を済ませており、同年 6 月の Nasdaq 上場を目指しています。今回の提携では、 Cursor が持つ開発者コミュニティとのつながりと、 SpaceX が運用する大規模スーパーコンピューター「 Colossus 」( Nvidia H100 チップ 100 万基相当の処理能力)を組み合わせることが構想されています。

ただし、懸念材料もあります。 Cursor は現在、 OpenAI の GPT や Anthropic の Claude といった外部モデルに依存しており、これらのサービス提供元が何らかの理由でアクセスを制限した場合、ビジネス上の打撃が避けられません。財務面でも、 SpaceX の AI 部門である xAI は 2025 年に 66 億ドル(約 9,900 億円)の営業赤字を計上しており、グループ全体でも 49 億ドル(約 7,350 億円)の損失を抱えています。それでも Cursor の CEO マイケル・トゥルエル氏は今回の提携に前向きな姿勢を示しており、 SpaceX とともにプロダクトの拡充に取り組む意向を表明しています。