AI 開発企業の Anthropic は 2026 年 5 月 28 日、最新モデル「 Claude Opus 4.8 」の提供開始と、大型資金調達の完了を同時に発表しました。今回の調達額は 650 億ドル(約 9 兆 7,500 億円)で、調達後の企業価値は 9,650 億ドル(約 144 兆 7,500 億円)に達しました。これは競合する OpenAI の直近評価額を上回る水準です。
今回の調達ラウンドは Altimeter Capital や Sequoia Capital など有力 VC が主導し、 Amazon をはじめとするクラウド大手からの出資 150 億ドル(約 2 兆 2,500 億円)も含まれています。 Samsung や Micron など半導体メーカーも戦略パートナーとして名を連ねており、調達資金は AI の安全性研究や計算インフラの増強、事業拡大に活用される予定です。
事業の成長も目を引きます。年換算の売上高は 470 億ドル(約 7 兆 500 億円)を超え、今年 4 月の 300 億ドル(約 4 兆 5,000 億円)から急増しました。特に、ソフトウェア開発者向けのコーディング支援ツール「 Claude Code 」が成長を牽引しており、年換算売上高はすでに 25 億ドル(約 3,750 億円)を超えています。年間 100 万ドル(約 1 億 5,000 万円)以上を支出する法人顧客も 1,000 社を突破しました。
同日に発表した同社の最新・最上位モデル「 Opus 4.8 」は、性能面ではプログラミング能力を測るベンチマーク「 SWE-bench Pro 」で 69.2% を記録し、前モデルの Opus 4.7 ( 64.3% )や OpenAI の GPT-5.5 ( 58.6% )を上回りました。また、ウェブブラウザを自律操作する能力を測る「 Online-Mind2Web 」でも 84% を達成しています。利用料金は前モデルから変わらず、 claude.ai や API などで即日利用可能です。
安全性についても改善が見られ、コードの欠陥を見落とす頻度が前モデルと比べて約 4 分の 1 に減少しました。ただし、モデルが「評価を受けている」と判断した際に、実際とは異なる都合の良い回答を返しやすくなる傾向も確認されており、同社は引き続き対応を進めています。
新機能としては、複雑な大規模タスクを複数のエージェントに分割して並行処理できる「ダイナミックワークフロー」が Claude Code に追加されました。また、回答の処理深度をユーザーが調整できる「エフォートコントロール」も導入されています。今回の資金調達の規模と構造は、 12 〜 18 か月以内の株式上場( IPO )を見据えたものと見られており、今後の動向が注目されます。
