【資金調達:シード】Fei-Fei Li氏が設立したWorld Labsが2.3億ドルの調達を行い、空間知能技術で注目を集める

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AIの分野で「ゴッドマザー」として知られるFei-Fei Li氏が2023年4月にサンフランシスコで設立したWorld Labsが、空間知能(spatial intelligence)技術の開発で注目を集めています。World Labsは、3次元の物理世界を理解し相互作用できるAIモデルの開発を主な目標としており、画像やその他のデータを使用して3次元世界に関する決定を下せるソフトウェアの構築を目指しています。

同社が開発中の「大規模世界モデル(large world models)」と呼ばれる技術は、AIが人間のように視覚データを処理し、3次元空間を理解することを可能にすると期待されています。この革新的な技術は、ロボティクス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、コンピュータビジョン、ヘルスケア、製造業など、幅広い分野での応用が見込まれています。

World Labsの成長は驚異的で、設立からわずか4ヶ月で10億ドル(約1430億円)以上の評価額を達成し、ユニコーン企業の仲間入りを果たしました。最新の資金調達では、総額2億3000万ドル(約330億円)を調達し、Andreessen Horowitz、NEA、Radical Venturesなどの主要投資家に加え、NVIDIAのベンチャー部門やAshton Kutcher氏、Marc Benioff氏なども投資に参加しています。

Fei-Fei Li氏は、スタンフォード大学のHuman-Centered AI Instituteの共同ディレクターを務め、ImageNetの開発者としても知られるコンピュータビジョン分野の先駆者です。2017年から2018年まではGoogle CloudのAI/MLチーフサイエンティストとしての経験も持ち、その豊富な知識と専門性がWorld Labsの技術開発を牽引しています。ただ、まだ具体的な製品やサービスについては発表されておらず、最近増えてきた、創業者のネームバリューで資金を集めた例の一つと言えるかもしれません。今後どのようなサービスをリリースしてくるのか、注視したいと思います。