Googleの親会社Alphabetの自動運転車部門であるWaymoは、このたび過去最大となる56億ドル(約8,512億円)のシリーズC資金調達を完了しました。この資金調達はAlphabetが主導し、Andreessen Horowitz、Fidelity、Silver Lake、Tiger Global、T. Rowe Priceなどの大手投資家が参加しました。これによりWaymoの累計調達額は111億ドル(約1兆6,872億円)に達しています。
Waymoは、この資金を主に3つの分野に投資する予定です。1つ目は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスでの既存サービスの強化です。2つ目は、2025年までにオースティンとアトランタへの新規市場展開を目指すことです。3つ目は、自動運転システム「Waymo Driver」の第6世代への進化に向けた技術開発です。
現在、Waymoは週10万件以上の有料配車サービスを提供しており、Uberとの戦略的パートナーシップを締結しています。オースティンとアトランタでは、Uberアプリ経由でのみサービスを提供する予定とのこと。また、全電動のJaguar I-PACEを使用し、車両数は数百台規模まで拡大する計画となっています。
自動運転タクシー市場でのリーダー的存在として認識されているWaymoは、Teslaなど競合他社との差別化要因として、完全自動運転技術の実用化で先行しています。特に安全性の面で高い評価を得ており、事故率は人間のドライバーと比較して大幅に低いとされています。
この大規模な資金調達により、Waymoは自動運転技術の進化と市場拡大をさらに加速させ、しばらくはアメリカ国内におけるロボタクシーサービスで独走状態を作っていくと思われます。単純な技術の問題ではなく、規制をクリアしないといけないという問題があるので、しばらくの間、競合他社が追いつくのは容易ではないように見えます。