SpaceX、2026年夏のナスダック上場へ向け SEC に書類提出

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SpaceX が 2026 年 6 月または 7 月のナスダック上場を目指していることが明らかになりました。同社は 2026 年 4 月 1 日に機密扱いの S-1 書類を SEC(米証券取引委員会)に提出しており、Bloomberg や CNBC、Reuters、ウォール・ストリート・ジャーナルがそれぞれ独立して報道しています。

今回の IPO で注目されるのはその規模です。調達目標額は最大 750 億ドル(約 11 兆 2,500 億円)で、2014 年のアリババによる 220 億ドル(約 3 兆 3,000 億円)という米国記録の 3 倍以上に相当します。想定する企業評価額は 1.75 兆ドルで、これが実現すれば SpaceX は Meta やバークシャー・ハサウェイを上回り、米国上場企業の時価総額で第 6 位に躍り出ます。

企業構造の面では、2026 年 2 月にイーロン・マスク氏の AI 企業 xAI を約 2,500 億ドル(約 37 兆 5,000 億円)の全株式取引で統合しており、今回の IPO にはその事業も含まれます。ただし xAI の計算インフラには月推定 10 億ドル(約 1,500 億円)のコストがかかっており、SpaceX の 2025 年通期の純損益は約 50 億ドル(約 7,500 億円)の赤字に転じました。前年が約 80 億ドル(約 1 兆 2,000 億円)の黒字だったことを考えると、統合コストの重さが数字に表れています。

一方、本業の成長は続いています。2025 年の売上高は 185 億ドル(約 2 兆 7,750 億円)を超え、衛星インターネットサービスの Starlink は 2025 年末時点で 920 万人の加入者を抱え、年間売上高は 100 億ドル(約 1 兆 5,000 億円)を突破しました。アナリストは Starlink 単体で 2026 年末には 240 億ドル(約 3 兆 6,000 億円)規模に達すると見ています。

IPO の設計で異色なのが個人投資家への配分です。通常 5〜10% にとどまる個人向け割り当てを今回は 30% に設定しており、CFO のブレット・ジョンセン氏は「個人投資家の参加がこの取引の根幹をなす」と銀行団との会議で強調しました。ロードショーは 6 月 8 日の週に始まり、6 月 11 日には 1,500 名規模の個人投資家向けイベントも予定されています。

ただし、評価額に対する懐疑的な見方も根強くあります。1.75 兆ドルという数字は 2025 年の売上高を基準にした株価売上高倍率で約 90 倍に相当し、市場関係者の間では「かなり強気な水準」との声が聞かれます。この評価額が妥当と判断されるには、Starlink の継続的な拡大と、現在申請中の軌道上データセンター構想の実現が前提となりますが、いずれも実現には数年単位の時間が必要です。