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ロックフェラーのシャルマ氏、AI主導の株高に警鐘――「企業利益は政府の財政赤字が支えている」

ロックフェラーのシャルマ氏、AI主導の株高に警鐘――「企業利益は政府の財政赤字が支えている」
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ロックフェラー・インターナショナル会長のルーチル・シャルマ氏が 2026 年 6 月 1 日、CNBC の「スクォーク・ボックス」に出演し、現在の米国株高の背景にある問題点と AI バブルへの懸念を語りました。

シャルマ氏がまず問題にしたのは、米国企業の利益の中身です。「今の企業はきちんと稼いでいるからドットコムバブルとは違う」という市場の見方に対し、同氏は「ドットコムバブル時も Cisco や Lucent などの主要テック企業の利益成長率は年率約20%あり、現在のAIブームとほぼ同水準」だったとし、「(現在の)企業利益は GDP 比 6 %にのぼる財政赤字と連動して膨らんでいるに過ぎない」と指摘しました。政府の赤字支出が企業の収益を下支えしている構図であり、財政が引き締まれば企業利益も自然と縮小するという点に、現在の相場の脆弱さがあると述べています。

株式市場の実態についても、シャルマ氏は冷静な見方を示しました。「米国株全体で 8 〜 10 %のリターンが出ているように見えても、その大半は一握りの AI 関連大手によるものであり、普通の銘柄はほとんど上がっていない」と説明しました。市場全体が好調に見えるのは、一部の巨大テック企業が数字を引き上げているからだということです。

同氏は AI ブームの過熱を「 4 つの O 」という独自の視点で整理しています。「過剰投資(Overinvestment)・過大評価(Overvaluation)・過剰保有(Over-ownership)・過剰レバレッジ(Over-leverage)」の 4 つで、いずれも現在の市場に当てはまると言います。たとえば Meta は、かつて手元に潤沢な現金を持つ会社でしたが、AI 投資の資金を確保するために大量の債券を発行する側(=借金をする側)へと変わりました。また、米国の家計が保有する資産に占める株式の割合が 50 %を超え、 2000 年のバブル時の水準をも上回っているという点も、同氏が懸念する理由のひとつです。

バブルが崩れるきっかけとして同氏が挙げるのは、「急激な金利上昇」です。過去 300 年のバブルを振り返ると、崩壊の引き金はほぼ常に金利の急上昇か流動性の枯渇だったとのこと。金利が上がれば政府は財政赤字を抑えざるを得なくなり、それが企業収益の悪化、株価の下落へとつながるという流れを警告しています。

世界規模で見ると、 2025 年に米国株の上昇率が約 8 〜 9 %だったのに対し、海外の株式市場はドル建てで約 20 %上昇しており、長年続いた米国株一強の流れに変化が生じていると同氏は見ています。世界の株式市場に占める米国株の割合が約 70 %に達する一方、米国の経済規模は世界全体の約 30 %に過ぎないという不均衡も、見過ごせないリスクとして指摘しました。

ただし、同氏はだからと言って「すぐにバブルが崩壊するとは言えない」と話しています。例えば、Nvidiaの株価は予想PER 23 倍とドットコムバブルと比べて常識の範囲内に収まっており、全体的にはまだ上昇の余地は残っているかもしれない、との見方も示しています。

投資の方針については、相場の天井を正確に当てることは誰にもできないとしながらも、「財務体質が堅固で収益が安定しているにもかかわらず現在は市場に注目されていない銘柄」を地道に選んでいくことが、今の局面では賢明な選択肢だと述べています。

*「Truth About the American Profit Machine: Rockefeller’s Ruchir Sharma on the tech-driven stock rally」