OpenAI は 2026 年 8 月 25 日、自社開発の AI 推論チップ「Jalapeño」の性能測定結果を初めて公開しました。発表の場となったのは Half Chips 2026 カンファレンスで、同社が AI システムの基盤となるハードウェアを外部調達から自社開発へと切り替えていく取り組みの中で、一つの大きな成果といえます。CEO のサム・アルトマン氏は X(旧 Twitter)に「We made a chip and it is fast」と投稿し、シンプルに結果を報告しました。
性能面では、業界標準の評価手法である SemiAnalysis の InferenceX ベンチマークを用いて、NVIDIA の最新システム GB200・ GB300 と比較測定を実施しました。主要な AI モデル 3 種類での検証では、消費電力あたりの処理量が NVIDIA 比で 1.5〜1.9 倍、応答の遅れ(レイテンシ)は 1.7〜3.6 倍改善しています。AI エージェントのように複数の処理を連鎖させる用途では優位性がさらに高まり、最大 4.1 倍の差が出ました。要するに、少ない電力でより速く動くチップに仕上がったということです。
Jalapeño が技術的に工夫している点の一つは、処理速度と応答の速さを同時に高めていることです。一般的なハードウェアではこの二つは両立が難しく、どちらかを優先する設計が多いのですが、Jalapeño はデータの移動や通信の無駄を減らす設計によってこの課題を克服しています。
開発のスピードも注目に値します。設計着手から製造完了まで 9 か月という、先端チップとしては異例の短期間で完成させました。 OpenAI と半導体大手 Broadcom の緊密な協力体制に加え、自社の AI ツールを設計プロセスに活用することで開発を大幅に効率化しています。
今後は 2026 年末から小規模な運用を始め、2027 年に本格展開を予定しています。次世代チップの開発も並行して進んでいるとのことです。ただし Jalapeño はあくまで推論(AI の回答生成)向けであり、モデルの学習には引き続き NVIDIA 製品が必要です。 NVIDIA 依存を完全になくすものではない点は押さえておく必要があります。
