Meta と EssilorLuxottica は 2026年6月23日、AI を搭載したスマートグラスの新シリーズ「Meta Glasses」を発表しました。価格は 299 ドル(約4万4,850円)からで、発表当日より 17 カ国で購入できます。
Meta はこれまでスマートグラスを Ray-Ban ブランドで販売してきましたが、今回は初めて自社ブランドとして市場に投入します。製造は引き続き EssilorLuxottica が担い、価格設定や流通、ブランド戦略の主導権は Meta が握ります。購入先は Meta の公式サイトのほか、Best Buy、Amazon、LensCrafters、Sunglass Hut など幅広いチャネルが用意されています。
ラインナップは 3 種類です。すっきりとした長方形フレームの「Meta Adventurer」と、存在感のあるデザインの「Meta Fury」がそれぞれ 299 ドル(約4万4,850円)、タレントのカイリー・ジェンナーとコラボしたスリムなオーバル型「Meta Glasses by Kylie」が 399 ドル(約5万9,850円)となります。カラーは全部で 26 スタイルを展開。既存モデルの Meta Ray-Ban Gen 2 が 379 ドル(約5万6,850円)だったことを考えると、今回は意図的に手が届きやすい価格に抑えており、ユーザー層の拡大を明確に狙った価格戦略といえます。
ハードウェア面では、12 メガピクセルの超広角カメラと 3K 動画録画、5 つのマイクを搭載しています。バッテリーは単体で 8 時間以上持続し、付属の充電ケースと合わせると合計約 40 時間使用できます。
AI 機能の核となるのは、Meta Superintelligence Labs が開発した「Muse Spark」です。発売初日から搭載されており、「Instant(即時)」「Thinking(思考)」「Contemplating(熟考)」という 3 段階の推論モードを持ちます。日常的な質問には素早く答え、複雑な内容には時間をかけて深く考えるよう、状況に応じて自動で切り替わります。ライブ翻訳機能は日本語・中国語・ヒンディー語・韓国語を含む 14 言語が新たに加わり、合計 20 言語に対応しました。
市場規模の観点からも、このカテゴリーの成長は際立っています。2025年のスマートグラス世界出荷台数は 960 万台に達し、そのうち Meta が約 76.1% を占めています(IDC 調べ)。IDC は 2026年通年の出荷台数を 1,360 万台、市場収益を 51 億ドル(約7,650億円)と予測しており、2027年には 64 億ドル(約9,600億円)への拡大を見込んでいます。
一方で、プライバシーへの懸念は無視できません。Wired 誌の調査により、Meta のウェアラブル端末に顔認識ソフトウェアが組み込まれていたことが明らかになりました。Meta は問題のコードを削除済みですが、2026年3月4日にはカリフォルニア北部地区裁判所で訴訟が提起されており、法的なリスクはまだ残っています。競合各社も動きを加速しており、Snap が AR 機能付きグラスを発表、Google は Samsung と組んで AI スマートグラスの投入を準備中です。ウェアラブル AI の主導権争いは、今後さらに激しくなることが予想されます。
