聴覚サポート技術を手がけるスタートアップの Legato は 2026 年 10 月 1 日、AI 搭載の補聴眼鏡「 Legato Frames 」の販売を開始しました。価格は 999 ドル(約 14 万 9,850 円)からで、公式サイト「 legatohearing.com 」のほか、一部の眼科・視力矯正クリニックでも取り扱います。
同社を 2024 年に共同創業した Mehul Trivedi と Steve Romine は、いずれも Bose で長年の実績を持つ人物です。 Trivedi は Bose Frames の開発責任者を務めた後、 EssilorLuxottica に移って Meta Ray-Ban の開発にも関わりました。 Romine はオンライン補聴器サービス Audicus で COO を歴任しています。音響エンジニアリングと補聴器ビジネスの両面に精通した創業者による製品です。
ラインアップは 3 モデルで、ブラウンラインフレームの「 Aria 」が 1,099 ドル(約 16 万 4,850 円)、細身のフレームが特徴の「 Symphony 」と「 Harmony 」がそれぞれ 999 ドル(約 14 万 9,850 円)です。重量はレンズ込みで 34 グラムと軽量で、バッテリーは 10 〜 12 時間使用可能。度付きレンズへの交換や、 Bluetooth を使った音楽・通話の接続にも対応しています。
音声処理には独自技術「 SpeechSense AI 」を搭載し、周囲の騒音の中から会話音声だけをリアルタイムで聞き取りやすく調整します。耳を塞がないオープンイヤー設計ながら、スピーカーの音が周囲に漏れにくい構造を採用し、耳から数インチ先での音量を 99 %抑えます。すべての処理はメガネ本体で完結し、カメラや録音機能は持たせていません。 FDA の定める OTC 補聴器基準に準拠した製品で、関連特許も 4 件取得済みです。
第三者機関の聴覚研究所 HearAdvisor が 2026 年 5 月に行った評価では、 SoundScore 4.6 / 5.0 を記録し、市販・処方型を合わせた全テスト製品の中でトップ 10 に入っています。
補聴器市場の課題として、米国では約 5,000 万人の成人が聴力の低下を抱えているにもかかわらず、実際に補聴器を使っているのは診断を受けた人の 2 割程度にとどまります。保険なしで平均 4,727 ドル(約 70 万 9,050 円)という価格の高さに加え、補聴器を使うことへの抵抗感が普及を妨げているとされています。 Legato はメガネという日常的なアイテムに機能を組み込むことで、こうした心理的・経済的ハードルを下げる戦略をとっています。
眼科クリニックへの本格展開は 2026 年 10 月下旬から始まり、ニューヨーク、カリフォルニア、テキサス、イリノイなど全米 10 州以上で順次取り扱いが広がる予定です。
