Google I/O 2023: AI技術への全力投資が明らかに

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Googleは、5月10日から12日にかけて開催されているGoogle I/O 2023において、AI技術への全力投資を明確にしました。AIを中心に据えた様々な革新的な取り組みが発表され、その中でも特に目を引いたのは、Bard、LLM(PaLM 2)、そしてDuet AIの3つのアップデートです。

まず、AIチャットボットBardの大幅なアップグレードが行われました。ウェイティングリストが撤廃され、一般に公開されました。また、このBardは新たに開発されたGoogleのLLM、PaLM 2へと移行しています。さらに、Bardは180カ国で利用できるようになり、Adobe Fireflyとのパートナーシップにより、画像からテキストへの直接変換が可能となりました。

次に、言語モデル(LLM)のバージョンアップが行われ、PaLM 2が公開されました。これはGoogleの新しい25以上の製品を支えるパワフルなモデルとなっています。特に医療領域向けのMed-PaLM、音楽生成向けのMusicLMなど、特化した分野への展開も進行しています。

最後に、Microsoftが先に発表した「Co-Pilot」プロジェクトに対抗する形で、「Duet AI」プロジェクトが発表されました。これにより、GmailやDocs、SheetsなどのGoogleサービスにAIが統合され、ユーザーの作業効率が大幅に向上することが期待されています。

このようなGoogleの「AIに全てを賭ける(All-in on AI)」という姿勢は、その株価にも明らかに反映されました。イベントが行われた直後、Googleの株価は4%以上急騰し、その市場価値は560億ドルも増加しました。

OpenAIが2022年末にChatGPTを公開して以来、各企業はAI技術の導入を急ピッチで進めています。今回発表されたGoogleのAIへの全力投資はその流れをさらに加速させ、近くAIは一部の人だけでなく、PCやスマホを持つ全ての人々が使えるものとなります。

今回の発表は、ユーザーとインターネットとの関わり方に革命をもたらす可能性を秘めています。これまでテクニカルなスキルやデジタルリテラシーが必要だったAIツールは、これからはインターネット接続とGoogleアカウントを持つ全ての人々に開放されることとなります。これはまさに、AI技術の民主化とも言える動きです。

そして、このAIの進化は止まることを知りません。Googleは既に「会話型の検索エンジン」や「Immersive View for Routes」の開発をGoogle Mapsで進行中であり、「Magic Editor」機能の追加をGoogle Photosで計画しているなど、AI技術の応用範囲は広がり続けています。

Google I/O 2023は、AIが持つ未来の可能性を世界に示す場となりました。今までOpenAI-Microsoft陣営が先行していましたが、今回の発表でGoogleがその差を縮めるべく急追している様子が伺えます。これは、AIが統合されて社会がより便利になるという面では歓迎される動きです。ただし、別途アップした新しいBardのレビューで書きましたが、現在はまだ実力の伴わない焦りの結果になっている印象もあり、華々しい発表の実態には注視の必要があるとは感じました。

また、AI技術の急速な普及に伴い、法的な整備や倫理的な議論が必要です。これらの課題も急速に進めていくことが求められます。特に、AIが個々のライフスタイルやビジネスにどのように統合され、どのように利用されるべきかについては、全社会的な議論が必要となるでしょう。