カンファレンス・調査報告

中国 AI モデルの長期的な勝者はどこになるのか——ゴールドマン・サックスの分析

中国 AI モデルの長期的な勝者はどこになるのか——ゴールドマン・サックスの分析
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ゴールドマン・サックスは、中国の AI モデルにおける長期的な勝者を探る約 50 ページの調査レポートを公表しました。アナリストの Ronald Keung が主導したもので、中国 AI モデルの価格競争力や収益化の実態、今後の市場規模などを包括的に分析しています。

レポートでは「価格競争力・コスト優位性・財務力」という 3 つの軸で各社を評価しています。その結果、テキスト処理を得意とする基盤モデルの分野では Zhipu と DeepSeek が高い評価を受け、画像や動画を扱うマルチモーダル分野では ByteDance がトップと位置づけられました。

このうち Zhipu(国際名 Z.ai)は 2026 年 1 月 8 日に香港証券取引所へ上場し、企業価値は 1,100 億ドル(約 16.5 兆円)と算定されています。2026 年 6 月 13 日にリリースした最新モデル「GLM-5.2」は、性能面で米国の主要モデルに迫ると評価されており、一部では「第二の DeepSeek ショック」とも呼ばれています。価格を平均 83% 引き上げたにもかかわらず API の利用量が 400% 増加するなど需要は旺盛で、過去 60 取引日の株価は 70% 上昇しています。

非上場の DeepSeek は 2026 年 6 月 16 日に約 510 億元の資金調達を完了し、企業価値は 4,000 億元に達しました。同年 6 月 27 日には推論速度を大幅に改善する技術「DSpark」を公開し、主力モデルの処理速度を最大 85% 向上させています。料金体系の面でも、7 月中旬からピーク・オフピーク制の導入を予定しており、収益化に向けた取り組みが本格化しています。

TikTok を運営する ByteDance は、動画生成モデル「Seedance 2.0」で存在感を示しています。業界標準のベンチマークでは Google の Veo 3 や OpenAI の Sora 2 を上回る評価を獲得し、粗利益率は 70%、年間売上の実行ベースはすでに 20 億ドル(約 3,000 億円)を超えています。

産業全体を見渡すと、中国のオープンソース AI モデルは、米国の主要モデルと比べてはるかに少ないパラメータ数で同等の性能を実現しています。価格面でも、中国ハイエンドモデルのトークン単価は約 1 ドル(約 150 円)と、米国モデルの 4〜8 ドル(約 600〜1,200 円)に対して大幅に安く抑えられています。

ゴールドマン・サックスは、中国 AI モデルの API・サブスクリプション関連収益が 2026 年の約 350 億元から 2030 年には約 8,790 億元へと約 25 倍に膨らむと予測しており、2026 年 7 月 9 日には中国 AI 関連銘柄への投資ポートフォリオも新たに立ち上げました。