FCCがロボコール企業にAI使用の開示を義務付ける新規制案を発表

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米連邦通信委員会(FCC)が、AIを使用した電話コールやテキストメッセージを送る際に、企業にAIの使用を開示するよう求める新しい規制案を公表しました。

この規制案は、AI生成の電話やメッセージ(ロボコール)による詐欺や誤情報の拡散を防ぐことを目的としています。企業はAI音声による通話を開始する際にその旨を伝え、あらかじめ同意を得る必要があります。自動ダイヤルシステムを使用したAI生成テキストメッセージにも同様の開示義務が適用されます。

FCCは「AI生成の通話(ロボコール)」を、機械学習や予測アルゴリズム、大規模言語モデルなどの技術を使って自然言語を処理し、音声やテキストを生成するものと定義しています。

この規制案の背景には、2024年1月にニューハンプシャー州の民主党予備選直前に発生した事件があります。バイデン大統領の声を模倣したAI音声で有権者に投票を控えるよう促す自動音声電話が相次いだのです。これを受けてFCCは2月8日、AI生成音声を使用したロボコールを電話消費者保護法(TCPA)の下で違法とする裁定を全会一致で採択しました。

FCCは8月7日の会議で今回の提案を採択し、パブリックコメントを募集する予定です。11月の大統領選挙を前に、AIを悪用したフェイクニュース拡散への警戒感が高まっています。規制案が通れば、カスタマーセンターでのAI活用など通常の使用についても、事前の利用者通知が義務付けられることになりそうです。