Anthropic は 2026 年 6 月 9 日、新世代 AI モデル「 Claude Fable 5 」を一般向けに公開しました。同社のモデルラインナップはこれまで Opus が最上位でしたが、その上に位置する「 Mythos 級」が新設され、 Fable 5 はそのランクとして初めて広く利用できるようになったモデルです。同日には、同じモデルでより安全制限を緩めた上位版の「 Claude Mythos 5 」も合わせて発表されています。
性能面では、ソフトウェア開発や知識業務において競合を大きく引き離しています。コーディング評価の標準指標である SWE-Bench Pro では 80.3% を達成しており、 OpenAI の GPT-5.5 の 58.6% 、 Google の Gemini 3.1 Pro の 54.2% に対して 20 ポイント以上のリードを保っています。実業務での活用例として、 50 億行規模のコードベース移行を 1 日で完了したという報告もあります。
安全面でも独自の工夫が施されています。サイバーセキュリティや生物・化学といった高リスクな領域の問い合わせには、モデルが直接応答するのではなく、より慎重に設計された旧モデルの Claude Opus 4.8 へ自動的に処理を切り替える仕組みを採用しています。ユーザーには切り替えが通知される設計で、この切り替えが発生するのは全利用の 5% 未満にとどまっています。なお、安全性の継続的な監視を目的として、利用データを 30 日間保持するポリシーも新たに導入されました。
料金は、入力 100 万トークンあたり $10(約 1,500 円)、出力 100 万トークンあたり $50(約 7,500 円)と高額です。一つ前の世代にあたる Opus 4.8 の約 2 倍の価格ですが、先行してリリースされた Mythos Preview と比べると半額以下となっています。 Pro ・ Max ・ Team ・エンタープライズの各プランでは 6 月 22 日まで追加料金なしで利用可能で、 AWS や Google Cloud 、 Microsoft のクラウドサービスからも利用できます。
このリリースは、 Anthropic が株式上場( IPO )の準備を進める中でのタイミングとも重なっています。同社は 2026 年 6 月 1 日に米国 SEC へ上場申請書類を提出しており、企業評価額は $9,650 億(約 144 兆 7,500 億円)に達するとされています。
