Amazon は 2026 年 10 月 19 日、電力会社 American Electric Power( AEP )と原子炉メーカー X-energy との間で、インディアナ州の廃止済み石炭発電所跡地に小型原子炉を建設する可能性を探る合意書に署名しました。
建設予定地は、 AEP がすでに所有するインディアナ州サリバン郡の旧石炭発電所跡地です。計画では X-energy が開発した Xe-100 という小型原子炉を 12 基並べて稼働させ、合計 960 MW の電力を生み出す構想です。発電した電力は地域の電力網に送られるほか、 Amazon のデータセンターにも直接供給されます。
プロジェクトの役割分担はシンプルです。 Amazon が開発資金を段階的に提供したうえで、完成後は長期契約で電力を買い取ります。 AEP が発電所の運営を担い、 X-energy が原子炉の技術を提供します。米国各地では、データセンターの急増に伴う電力需要の拡大が一般家庭の電気料金を押し上げる問題が相次いでいます。今回の仕組みは、 Amazon が建設コストを自ら負担し、電力も直接買い取ることで、その費用を AEP の料金体系に乗せない設計になっています。 AEP が 2027 年から住宅向け料金を引き下げる計画を示していることからも、地域住民への配慮が意識された構造といえます。
Xe-100 は次世代型の小型モジュール原子炉( SMR )で、従来の大型原子炉に比べて安全性が高く、建設コストや工期の管理がしやすいとされています。ただし、まだ商業運転の実績はなく、今回のプロジェクトは SMR が実際にビジネスとして成り立つかどうかを問う、業界全体の試金石とも言える取り組みです。
Amazon と X-energy の協業はこれが 2 回目です。第 1 弾は 2024 年 10 月に発表されたもので、ワシントン州の電力会社 Energy Northwest と組み、同州に Xe-100 を 4 基(合計 320 MW )建設する計画でした。今回のインディアナ案件はその約 3 倍の規模に相当します。同時期に Amazon は X-energy への 7 億ドル(約 1,050 億円)の資金調達も主導しており、両社は 2039 年までに米国で計 5 ギガワットの原子力発電能力を整備する目標を掲げています。今回のプロジェクトについては、 2029 年末までに最終的な投資判断が下される見通しです。
地域への波及効果も見込まれており、建設期間中に 1,000 人超、稼働後も 100 人超の雇用が生まれると期待されています。
現段階はあくまで実現可能性を検討する合意であり、着工日や完成時期、具体的な予算はまだ公表されていません。今後の進展が注目されます。
