Google DeepMind は 2026 年 10 月 27 日、AI が仮想世界をリアルタイムで生成・操作できる新モデル「Genie 4」を発表しました。現在は限られたテスター向けのリサーチプレビューとして公開されており、2025 年 8 月にリリースされた前作 Genie 3 の後継にあたります。
今回の最大の目玉は、シリーズで初めて音声の生成に対応した点です。BGM や環境音、キャラクターの会話が映像と同時に自動生成されます。また、「天気を曇りにして」「新しいキャラクターを登場させて」といった自然な言葉でシーンをリアルタイムに操作できるようになりました。人物の動きや物理的な挙動の表現も大きく向上しており、DeepMind 社内でも最も大きな進歩のひとつと評価されています。シミュレーションの継続時間も最大 2 分間に伸び、前作から倍増しています。
技術面では、同社の大規模言語モデル「Gemini」との連携が核になっています。Gemini Omni が映像をリアルな見た目に仕上げ、Gemini 3.8 Flash がシーン全体を監視しながらユーザーの指示に応じてシナリオを調整します。人間がディレクターとして大まかな方向性を示し、AI がそれを具体的な映像として実現するイメージです。
活用が期待される分野は多岐にわたります。映画制作では撮影前の下絵(プリビジュアライゼーション)として使い、カメラアングルや照明を素早く試せます。ロボット開発では、実機を使う前に仮想空間でシナリオを検証する用途も実証されています。1枚の古い写真や絵画を入り込んで動かせるシーンに変換する実験も行われています。
一般向けの提供は段階的に拡大される予定です。まず Google AI Ultra の加入者(月額 $249.99 、約 3 万 7,500 円)、続いて Gemini API のパートナー企業へと順次開放されます。
課題もあります。長時間の利用や複雑な操作を重ねると、オブジェクトの位置がずれたり細部の一貫性が崩れたりする場合があると DeepMind は認めています。音声の精度や空間表現の正確さについても引き続き改善が必要な段階です。前作では解像度やフレームレートが数値で示されていましたが、今回は具体的なスペックの公開は見送られました。
なお、生成されたすべての映像・音声には DeepMind の電子透かし技術「SynthID」が埋め込まれ、AI 生成コンテンツであることを識別できるようになっています。
