イーロン・マスク氏は 2026 年 10 月 6 日、X への投稿で同社のエージェントサービス Grok Bot の運営方針を大きく転換すると表明しました。「今後 SpaceX はあらゆるタスクに最適なモデルを使う。Claude Opus 5.5、MidJourney、Suno など主要なサービスの API を活用する」と述べ、自社モデルに縛られず、仕事の内容に応じて最適な AI を選んで使う仕組みに移行する考えを示しました。
開発チームの Lauren 氏(@poteto)も同日 X に投稿し、「すべての Bot は Opus 5.5 で動く」と補足しています。あわせて、コーディング支援で知られる Cursor のクラウドエージェントも Grok Bot から呼び出せるようになると明かしました。
今回の発表で示された役割分担は次のとおりです。文章生成や高度な質問への回答は Claude Opus 5.5、画像作成は MidJourney、音楽・音声制作は Suno が担います。一方、自社モデルである Grok については、引き続きルーティングの選択肢のひとつとして残る可能性が示唆されていますが、具体的な位置づけは明らかにされていません。全体として、タスクの難易度に応じて最適なモデルを自動で選ぶ仕組みが基本設計となっており、自社・他社を問わず「最良の結果」を優先する方針です。
Grok Bot は 2026 年 8 月中旬のベータ公開から約 1 か月で急成長し、2026 年 9 月 14 日終了週の週間アクティブユーザーは 41 万 8,000 人に達したと Bloomberg が報じています。SpaceXAI は直前の 9 月に自社モデル Grok 4.7 を投入したばかりであり、他社の AI を積極的に組み込む今回の決断は、業界内で異例の動きとして注目されています。
両社の関係はもともと深く、SpaceXAI と Anthropic は 2026 年 5 月 6 日、テネシー州メンフィスの Colossus 1 データセンターの計算リソース全体を Anthropic が使用する大型契約を結んでいます。月額 12 億 5,000 万ドル(約 1,875 億円)という規模の取引です。
一方、今回の発表は詳細に乏しい部分も目立ちます。どのような基準で AI を選ぶのか、ユーザーのデータが外部サービスとどう共有されるのか、設定を自分でコントロールできるのかといった点は明かされていません。具体的な導入時期や技術仕様もなく、現時点では方向性を示した宣言にとどまります。続報が注目されます。
