UberとイギリスのAIスタートアップ Wayve は、2026年9月3日にロンドンで英国初となる自律走行タクシーサービスを正式に開始しました。Wayve にとっては世界で初めての商業サービスとなります。
UberX・Uber Electric・Uber Comfort を通常通り呼ぶと、Wayve の自動運転車が配車される場合があります。追加料金はなく、車内には 64 言語対応のスクリーンも設置されています。使用車両は全電動の Ford Mustang Mach-E で、まずは 15 台からのスタートです。ただし現時点では完全な無人運転ではなく、ロンドン交通局(TfL)が認定した訓練済みのドライバーが同乗して走行を見守る形をとっています。
Wayve の自動運転システムの特徴は、事前に作成した詳細な地図や LiDAR と呼ばれるレーザーセンサーを使わずに走行できる点です。テスラと同様、カメラと AI を組み合わせたシステムが走行経験を積みながら学習し、ロンドン特有の入り組んだ道路環境に対応します。2025年には世界 500 都市以上でテストを実施し、うち 219 都市では現地のデータをまったく使わずに初回から正常に走行できたといいます。
Wayve は2026年2月25日に実施したシリーズ D 調達ラウンドで 12 億ドル(約 1,800 億円)を集め、企業評価額は 86 億ドル(約 1 兆 2,900 億円)に達しています。出資陣には Microsoft・NVIDIA・Uber も名を連ねています。
ロンドン市場をめぐる競争も本格化しています。Google の親会社 Alphabet 傘下の Waymo は2026年4月からロンドン市内で 100 台規模のテストを始めており、2026年第 4 四半期中にドライバーなしの完全無人サービスを目指しています。中国の Baidu も同市場への参入を狙い、規制当局の承認を待っている段階です。
こうした動きを後押ししているのが規制緩和の動きです。英国政府は自動運転車の商業パイロット開始時期を当初の 2027 年末から 2026 年春へと大幅に前倒しすると表明しました。Wayve は今後、Uber のネットワークを活用して 10 以上の市場への展開を計画しており、すでに 14 万人以上のロンドン市民が Uber アプリ上で自動運転車への乗車を希望していることも、事業拡大の追い風となっています。
