Google の親会社 Alphabet が運営する自律走行車サービスの Waymo は、2026年8月25日、ドイツ・ミュンヘンへの進出を発表しました。同社にとって米国外では3カ国目、EU では初めての市場参入となります。
Waymo はこれまでに累計 2,000 万件以上の乗車実績を持ち、現在も毎週数十万件の有料サービスを提供しています。共同 CEO のテケドラ・マワカナ氏は「ミュンヘンは自動車産業と工学の分野で世界的に知られた都市であり、今回の進出は海外展開における大きな一歩だ」とコメントしています。
サービスの立ち上げは段階を踏んで進める方針です。まず数週間以内にドライバーが実際に車両を走らせながら精密な地図データを収集し、その後、安全担当者が同乗した状態での自律走行テストを実施します。問題がなければ、一般向けの有料サービスへと移行します。運行車両は当初、完全電動の「ジャガー I-PACE」を使用する予定で、現地法人「Waymo Germany GmbH」はすでに 2026年6月にミュンヘンで設立済みです。
ミュンヘンは、ロンドン・東京に続く Waymo の3番目の海外拠点となります。同社は現在、米国内 11 都市でサービスを展開しており、自律走行の総走行距離は約 2 億 2,100 万マイルに達します。資金面でも今年初めに評価額 1,260 億ドル(約 18 兆 9,000 億円)で 160 億ドル(約 2 兆 4,000 億円)を調達しており、事業拡大の勢いは続いています。
安全性についても具体的なデータを公表しています。350 万 km 以上の完全自律走行の実績によると、重傷事故の発生率は人間のドライバーと比べて 16 分の 1、歩行者が負傷する事故は 14 分の 1 にとどまっています。
ドイツは 2021年に、特定エリアでの完全無人走行を認める法律を EU で初めて整備した国であり、これが Waymo にとって欧州進出の入り口としてドイツを選ぶ決め手になったとされています。ただし実際に営業を始めるには、連邦自動車交通局(KBA)の型式承認と走行エリアごとの運行許可という2つの審査を通過する必要があります。発表時点では、これらの許可はまだ取得できていません。
ミュンヘンでは Uber やイスラエルの AI 企業 Autobrains も同様のサービス計画を発表しており、競争は早くも始まっています。規制が厳格で交通量も多い欧州の都市でどこまで通用するか、ミュンヘンでの取り組みは Waymo の実力を測る場になりそうです。
