Google が AI 部門のトップ人事を刷新しました。2026 年 8 月 5 日、Google DeepMind の CEO を務めてきたデミス・ハサビスが経営の第一線を退き、会長兼 Alphabet 最高科学責任者へと移行。後任として、旧 DeepMind の CTO であるコライ・カブクチョグルが上級副社長( SVP )に就任し、Gemini の開発と日常的な事業運営を担うことになりました。
さらに Financial Times が 2026 年 8 月 7 日に報じたところによると、共同創業者のセルゲイ・ブリンが研究開発と商業化の両面で指揮を執る体制へ移行したとのことです。 Google の収益を支える Gemini の競争力を高めるために、経営の実権をブリンに集中させる判断がなされたと見られています。
ブリン自身は 2019 年 12 月に経営幹部の座を退きましたが、その後も週 3 〜 4 日はオフィスに顔を出し、Gemini の開発に深く関わり続けてきました。ハサビスもかつて「セルゲイはコードを書くレベルで実務に踏み込んでいる」と語っていたほどです。 2026 年 6 月の業界イベントでは、ブリン本人が「私はカブクチョグルに突っ込んだ質問をして、ときに混乱させることもある。でも実際にチームをまとめて結果を出すのは彼だ」と話しており、実務のリーダーシップはカブクチョグルが握る形です。
一連の発表と前後して、 Google からの人材流出も目立ちました。在籍 27 年のベテランであるジェフ・ディーンが退社し、同僚とともに新会社 Discovery Loop を設立。研究者のノブ・シャジールは OpenAI へ移籍し、ハサビスとともに 2024 年のノーベル賞を受賞したジョン・ジャンパーは Anthropic への合流を表明しました。こうした動きが重なり、 Alphabet の株価は一時 4 % 下落しました。
今回の再編には、地理的な意味合いもあります。ロンドンを拠点にしていたハサビスに対し、カブクチョグルはカリフォルニア州マウンテンビューに勤務しています。Google の AI 開発の中心が、改めてシリコンバレーに引き戻される格好です。
業界内では、創業者が直接 AI 開発を率いることへの期待感がある一方で、主力版の Gemini モデルが当初の 6 月リリース予定を過ぎてもまだ公開されていないことへの不満も根強くあります。 OpenAI や Anthropic との競争が激化する中、この体制変更が遅れを取り戻すきっかけになるかどうか、今後の動向が注目されます。
