Tencent 中国 基盤モデル(LLM)

Tencent、大規模 AI モデル「Hy4 Preview」を無償公開——コーディング性能と低コストが特徴

Tencent、大規模 AI モデル「Hy4 Preview」を無償公開——コーディング性能と低コストが特徴
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中国 IT 大手 Tencent の AI 開発部門「Tencent Hy」は、 2026 年 8 月 28 日に新しい大規模言語モデル「Hy4 preview」を公開しました。商用利用も認められるオープンソースライセンス( Apache 2.0 )のもとで無償公開されており、誰でも自由にダウンロードして利用できます。

モデルの総パラメーター数は 770B( 7,700 億)で、競合の Kimi K3(2.8T) や DeepSeek V4 Pro(1.6T) と比較すると小さいですが、オープンソースモデルとしては十分大きな規模となっています。全体のパラメーター数は大きいですが、処理の仕組みを工夫することで実際の推論時には一部だけを稼働させる設計(MoE)になっており、モデルの能力を維持しながら計算コストを抑えることができます。また、一度に処理できるテキスト量は 100 万トークンを超えており、長大なドキュメントやコードベースも一括で扱えます。

性能面では、特にソフトウェア開発の能力で高い評価を得ています。プログラムのバグ修正能力を測る国際的な指標「 SWE-bench Multilingual 」では 82.9 のスコアを記録し、 DeepSeek V4 Pro の 77.3 や GLM 5.3 の 81.3 といった競合モデルを上回りました。また、第三者機関による独立した評価「 LMArena 」のコーディング部門でも、公開モデルの中で上位 3 位に位置しています。ただし、高度な論理推論が求められる分野では Claude Opus 5 などの最上位モデルには及ばない部分もあります。

モデルの学習には、 Tencent 社内のエンジニアやゲーム開発者、金融アナリスト、セキュリティ担当者が実務で使うデータが活用されており、現場に即した応用を意識した設計になっています。特筆すべき点として、 Hy4 preview が自分自身の開発プロセス自体の改善にも活用されたと報告されており、 AI が自らの改良に関与する「自己進化」の初期事例として業界内で注目を集めています。

利用方法は複数用意されています。 Tencent が提供する業務ツール「 WorkBuddy 」や開発者向けの「 CodeBuddy 」では 2 週間の無料トライアルが可能です。 API 経由での利用は、入力テキスト 100 万トークンあたり $0.834(約 1,251 円)、出力 100 万トークンあたり $2.501(約 3,752 円)で、同規模の競合モデルと比べて低めの価格設定となっています。

今回はあくまでプレビュー版の位置づけであり、画像などを扱うマルチモーダル機能は未搭載です。 Tencent は広くフィードバックを集めたうえで、正式版の完成度を高める方針を示しています。