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Anthropic が創薬向け AI 実験を公開、自律設計で業界標準を上回るヒット率を達成

Anthropic が創薬向け AI 実験を公開、自律設計で業界標準を上回るヒット率を達成
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Anthropic は 2026 年 8 月 18 日、AI モデル「Claude」が新薬開発の初期工程であるタンパク質の設計を、ほぼ人手を介さずに自律的にこなせることを公式ブログで発表しました。

実験の対象は、がん治療に使われる免疫チェックポイント阻害薬の標的である PD-L1 や、アルツハイマー病に関係する TREM2 など、臨床的に意義の高い 15 種類のタンパク質です。Claude は「どこに結合するか」の特定から、分子構造の生成、候補の絞り込みと最適化まで一連の作業を担い、合計 1,320 件の設計から 354 件の有効なバインダー(結合分子)を生み出しました。

注目すべきは成功率の高さです。新薬候補の「ヒット率」は業界全体で 10〜15% 程度とされていますが、Claude は複数の結合ターゲットを同時に扱う 48 時間のセッションで 26.7%、1 つのターゲットに集中する 24 時間のセッションでは 35.1% を達成しています。なかでも TREM2 に対しては 80% というヒット率を記録し、専門家チームが参加した過去のコンペティションの平均( 38.3% )を大きく超えました。RBX1 というターゲットでも、過去の大会優勝者と比べて約 10 倍の結合力を示しています。

結果の信頼性を担保するため、候補タンパク質の合成は Twist Bioscience が、結合力の測定は Adaptyv Bio がそれぞれ独立して担当しました。実験に使ったプロンプトや設計データも Hugging Face 上で公開されており、第三者による検証が可能な体制になっています。

もちろん課題もあります。マルトース結合タンパク質( MBP )に対しては 90 件の設計がほぼ効果を示さず、失敗に終わりました。製薬業界に詳しいマーティン・シュクレリ氏も「結合力が弱く、実用上重要な細胞内タンパク質を狙っていない」と指摘しています。また、タンパク質バインダーはあくまで創薬の出発点であり、そこから有効成分として承認を得るまでには、毒性試験や臨床試験など長い道のりが残っています。

なお、タンパク質設計のような生物学的技術は悪用リスクも伴うため、Anthropic は現時点で一般向けのアクセスを制限しています。一方でビジネス面では、2026 年 5 月に米国の新薬開発会社ブリストル・マイヤーズ スクイブと提携し、同社の 3 万人以上の社員に Claude を展開するなど、製薬業界との協力関係を着々と広げています。