OpenAI は 2026 年 5 月 21 日、AIコーディングツール「 Codex 」の大規模なアップデートを公開しました。社内では「 Codex Thursday 」と呼ばれるこのリリースは、これまで試験的な位置づけだった自律型コーディング機能を、実務で使える本番環境向けのサービスとして正式に提供するものです。
新機能「 Appshots 」では、 Mac の Command キーを両方同時に押すだけで、作業中のアプリ画面を即座に Codex へ共有できます。画面に表示されている内容だけでなく、スクロールしないと見えない部分のテキストも含めて送信されるため、作業の背景や状況をわざわざ言葉で説明する必要がありません。現時点では macOS のみの対応です。
試験提供が続いていた「 Goal Mode 」も正式機能として公開されました。「このモジュールのテスト網羅率を 90 %まで高める」といった大きな目標を設定しておくと、 Codex が日をまたいで作業を続け、計画・実行・確認・修正のサイクルを自動で繰り返します。目標が達成されるまで止まらない点が大きな特徴で、 VS Code や JetBrains といった主要な開発環境でも利用できます。
「 Locked Computer Use 」は、 Mac の画面がロックされた状態でも Codex が作業を継続できる機能です。開発者がスマートフォンから長時間のタスクをリモートで管理できるようになります。近くにいる第三者に画面内容が見えないよう全ディスプレイを保護する仕組みや、その場での操作が検知されたときに自動で再ロックする仕組みなど、セキュリティ面にも配慮されています。なおこの機能は欧州経済領域( EEA )、英国、スイスでは現時点で利用できません。
このほかにも、ブラウザ上での視覚的な編集指示機能の改善、 ChatGPT モバイルアプリからの Codex 利用、管理者向けの利用状況ダッシュボード追加など、開発チーム全体での活用を後押しする変更が加わっています。
今回のアップデートを通じて、 Codex は開発者が能動的に操作するツールから、指示を受けて自律的に動き続ける作業者へと役割を広げています。 Cursor や Claude Code など競合ツールも同様の方向へ進んでおり、 AI によるコーディング自動化の流れは業界全体で加速しています。一方で、 Appshots が取得した画面データが AI の学習に使われるかどうかについて OpenAI が明確な説明をしていない点は、金融や医療など規制の厳しい業界での導入を検討する企業にとって気になる課題として残っています。
