Google DeepMind は 2026 年 4 月 2 日、AI モデル「 Gemma 4 」を無償・オープンソースで公開しました。自社の最新研究から生まれた同モデルについて、 Google は「これまでで最も高性能なオープンモデル」と位置付けており、内部構造から大幅に作り直した新世代の製品として提供しています。
モデルは用途に応じて 4 種類が用意されています。スマートフォンや小型デバイスで動かすことを想定した軽量版 2 種類と、ハイエンドの PC やサーバー向けの大規模版 2 種類です。軽量版はインターネット接続なしに端末単体で動作でき、テキストのほか画像や音声も扱えます。大規模版は長い文章や動画にも対応しており、上位モデルは高性能 GPU 1 枚で動かせる設計になっています。
今回の最大のポイントは、ライセンス体系の変更です。前世代の Gemma 3 は Google 独自の利用規約が課されており、企業が社内導入するには法務部門による数ヶ月単位の審査が必要になるケースが多くありました。規約の内容が Google によって随時変更される可能性があることも、企業にとってリスク要因でした。こうした使いにくさから、競合のオープンモデルを選ぶ開発者も少なくなかったと言われています。今回採用された Apache 2.0 ライセンスは IT 業界で広く普及した標準的な規約であり、 AWS や Azure といったクラウド事業者も特別な交渉なしにサービスとして提供できるようになります。企業にとっての導入ハードルは大きく下がる見込みです。
性能面での評価も注目を集めています。上位モデルの 31B Dense は公開直後、世界中の AI モデルを対象にしたランキングで全体 3 位を獲得しました。数学や論理的推論、プログラミングといった分野でのスコアも高く、特にプログラムを書く能力は前世代から大幅に向上しています。また、 AI が外部のツールを使いながら作業を進めるシナリオでのテストでは、前世代の 6.6 % から 86.4 % へと性能が跳ね上がっており、実務で使える水準に近づいていることがうかがえます。
リリース初日から Hugging Face や Ollama など開発者に広く使われているツールへの対応が整っており、 NVIDIA ・ AMD ・ Arm も最適化済みの対応を表明しました。普及に向けた環境は整っていると言えます。ただし、大規模版の一方のモデルでは処理速度に関する問題がすでに報告されており、用途によっては別のモデルを選ぶ判断が必要になる場面もありそうです。
高性能なオープンモデルが無償で利用できる環境が整いつつあるなか、有償の商用モデルを手がける OpenAI や Anthropic にとっては、自社サービスの価格優位性を示す必要性がこれまで以上に高まっています。
