イーロン・マスク率いるxAI、OpenAIに対抗し60億ドルの資金調達へ

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わずか10ヶ月前に設立されたxAIが、プレマネー評価180億ドル(約2兆8,000億円)で60億ドル(約9500億円)の資金調達を目前に控えていると報じられています。

今回の資金調達には、セコイア・キャピタル、フューチャー・ベンチャーズ(Steve Jurvetson)、バロー・エクイティ・パートナーズ、ギガファンドなど、イーロン・マスク氏の側近たちが参加しています。

マスク氏は、xAIがデジタルと物理世界を結びつけ、自身の企業(テスラ、スペースX、ボーリング・カンパニー、ニューラリンクなど)に集まるトレーニングデータを活用する、というビジョンを投資家に提示していると報じられています。

xAIの独自のアプローチとして注目されているのは、マスク氏が運営するソーシャルメディアプラットフォーム「X」に、xAIのチャットボット「Grok」を有料機能として組み込む計画です。これにより、Grokの普及スピードを加速させるとともに、早期の収益化を実現できると見込まれています。さらに、Grokがマスク氏の他の企業から得られるデータを学習することで、物理世界の理解を深め、自動運転車やテスラが開発中の人型ロボット「オプティマス」の性能を大幅に向上させる可能性があると期待されています。

マスク氏の壮大なビジョンの実現には時間がかかるかもしれませんが、xAIの株式を保有するXは、この資金調達の恩恵を受けるでしょう。

マスク氏は、OpenAIの共同創設者でありながら、2018年に戦略的な意見の相違から役員を辞任して以来、同社に対して批判的なコメントを繰り返してきました。こうした一連の騒動が面白おかしく取り上げられることで、Grokはどうしてもイロモノ扱いされがちな雰囲気があります。しかし、Grokが着実に性能を強化し、ビジネスとしての拡大を進めている点は、改めて評価されるべきかもしれません。