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米データセンター、2028年までに32GWの電力不足——Morgan Stanleyが警告

米データセンター、2028年までに32GWの電力不足——Morgan Stanleyが警告
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Morgan Stanley は 2026年10月5日付のレポートで、米国のデータセンター開発業者が 2028年までに約 32GW の電力不足に陥ると警告しました。これはデータセンターが必要とする電力総量の 34% に相当する規模で、自家発電や燃料電池といった代替手段を最大限に活用しても、なお埋まらないギャップが残るとしています。

不足の深刻さは年々増していく見通しで、2026年に 9GW、2027年に 15GW、2028年には 32GW まで拡大します。同行が 9月21日に公表した別のレポートでも、状況の悪化が確認できます。このレポートでは、建設中のデータセンター容量と利用可能なグリッド容量を需要予測から差し引いた「粗不足量」が、従来の 38GW から 57GW へと大幅に上方修正されました。天然ガスタービンや燃料電池、原子力といった代替電源を積み上げても残余ギャップが埋まらないことを踏まえると、需要の伸びが当初の想定をかなり上回っていると言えます。

こうした状況の背景にあるのが、AI データセンターへの投資ラッシュです。Amazon・Microsoft・Google・Meta・Oracle の大手 5 社は 2026年の設備投資として合計 6,600 億ドル超(約 99 兆円)を投じる計画ですが、AI 向けデータセンターは 1 施設あたり 100〜500MW という膨大な電力を消費します。電力インフラの整備が追いつかず、米国では送電網への接続待ちが 2,100GW 超まで積み上がっている状態です。その結果、2026年に着工を予定していたデータセンターの 30〜50% は、稼働が 2028年以降にずれ込む可能性があります。

半導体各社への影響にも目を向けておく必要があります。Morgan Stanley は、Nvidia と Broadcom については電力問題の影響を受けにくいと見ています。GPU の納入先を電力確保済みの別プロジェクトに振り替えられる柔軟性があるためです。これに対して、メモリ・光通信・電力管理・アナログ半導体の分野は要注意です。データセンターの開業が遅れれば、その直前に発注されるこれらの部品も、顧客から納入延期やキャンセルを求められるリスクが高まります。Micron Technology・SK Hynix・Samsung Electronics といったメモリメーカーは特に注意が必要です。メモリはサーバーへの実装直前に納入するよう発注タイミングを細かく調整できるため、データセンターの開業が 6 ヶ月遅れれば、それに連動して納入も 6 ヶ月後ろ倒しにされやすい構造になっています。最終的に必要なメモリの総量は変わらなくても、その間は需要が突然消えたように見えるため、メーカー側で想定外の在庫が積み上がるという逆説的なリスクが生じます。

一方で、この電力不足を商機と捉える企業も存在します。Vertiv・GE Vernova・Eaton・Bloom Energy・Constellation Energy の 5 社は、AI 電力インフラへの投資先として改めて注目を集めています。GE Vernova は 2026年 1〜3 月期だけで 2025年通年を超えるデータセンター向け機器の受注を達成し、Vertiv も同期間に前年比 30% の増収を記録して通期見通しを上方修正しました。2030年に向けた AI データセンターの電力インフラ整備には、総額 1 兆 4,000 億ドル(約 210 兆円)の投資が必要になるとも試算されており、電力供給側のビジネスはしばらく成長が続きそうです。