2026 年 4 月 10 日、オランダの車両認証機関 RDW が Tesla の運転支援機能「FSD Supervised」を欧州で初めて正式承認しました。これにより Tesla は、欧州の公道でこの機能を一般ユーザーに提供できる初めての国を獲得したことになります。
承認取得までの道のりは決して短くありませんでした。Tesla は 18 ヶ月にわたり、欧州の公道で 160 万 km の走行データを収集し、4,500 回のコーステストと 13,000 回の同乗評価を重ねながら、EU が定める 400 以上の安全基準をクリアしました。今回の承認対象はソフトウェアバージョン「2026.3.6」で、最新の AI4(Hardware 4)搭載モデルに限られています。
ただし、FSD Supervised はあくまでも「ドライバーが監視することを前提とした支援機能」です。RDW は「完全自動運転ではない」と明確に位置づけており、ハンドルから手を離すことは認められていますが、ドライバーは常にすぐ操作できる状態でいる必要があります。また EU 版は米国版とは仕様が異なり、より厳しい安全基準に対応したものとなっています。
ビジネスへの影響も注目されます。オランダには約 10 万台の Tesla が登録されており、FSD は月額 99 ユーロまたは一括 7,500 ユーロで提供される予定です。今回の承認を足がかりに、数週間以内にドイツ・フランス・イタリアへの展開が可能となり、2026 年夏には EU 全域での承認を目指しています。
一方、課題もあります。旧型の HW3 搭載車は今回の対象外となっており、オランダのオーナーらが 1 台あたり 6,800 ユーロの損害賠償を求める集団請求を起こす動きが出ています。また Tesla は「他のどの車にもできない機能」と宣伝しましたが、RDW は BMW と Ford がすでに欧州で同様の認証を取得していると指摘しており、この主張は正確ではないとされています。
