2026 年 5 月 14 日、OpenAI は AI を活用したコーディング支援ツール「 Codex 」を ChatGPT のスマートフォンアプリ( iOS ・ Android )に導入すると発表しました。これまで Codex はパソコンや Web ブラウザからしか使えませんでしたが、今後は外出先からでも操作できるようになります。
仕組みとして押さえておきたいのは、コードそのものをスマートフォンに移すわけではない、という点です。あくまでもパソコンやサーバー上で動いている作業セッションを、スマートフォンから遠隔で確認・操作するかたちをとっています。会議の合間や移動中に進捗を確認したり、処理の承認を行ったりといった使い方が想定されています。セキュリティ面でも工夫が施されており、手元のパソコンをインターネットに公開することなく、安全に接続できる仕組みが採用されています。
プレビュー期間中は無料プランを含む全ユーザーが利用できます。上位の Pro プラン(月額 200 ドル、約 3 万円)では使用回数の制限なく使える点も特徴です。ただし現時点では Mac との接続のみに対応しており、 Windows への対応は順次進める予定とされています。
同日、企業向けの機能拡充も発表されました。開発の自動化フローへの組み込みを可能にする機能の提供や、企業が管理するサーバーへの SSH 接続の正式対応が始まりました。また、医療機関などが扱う個人情報の保護基準( HIPAA )に準拠した形での利用も一部環境で認められるようになり、これまで導入をためらっていた医療系の組織にも門戸が広がりつつあります。
こうした積極的な動きの背景には、競合 Anthropic との市場争いがあります。決済サービス Ramp の調査によると、法人顧客の獲得数では Anthropic が OpenAI を逆転しており、2026 年 4 月時点の採用率は Anthropic が 34.4 %、OpenAI が 32.3 %となっています。Anthropic の成長を支えているのは AI コーディングツールの「 Claude Code 」で、 GitHub 上の全パブリックコミットのうち約 4 %が Claude Code によって作成されたとする推計もあります。
両社は同日に異なる形で対抗策を打ち出しました。OpenAI は Claude Code から乗り換える企業に対して Codex を 2 か月間無料で提供すると発表。Anthropic も対抗するように、有料プランのユーザー向けに Claude Code の週あたりの利用上限を 7 月 13 日まで 50 %引き上げると即座に応じました。 AI コーディングツールをめぐる両社の競争は、当面続きそうです。
