OpenAI は 2026 年 4 月 20 日、AI コーディングツール「 Codex 」に新機能「 Chronicle 」を追加し、 Mac 版 ChatGPT Pro ユーザーを対象にプレビュー公開しました。ただし EU ・英国・スイスでは利用できません。
Chronicle の仕組みはシンプルです。ユーザーが作業している間、バックグラウンドで定期的に画面を撮影し、その画像を OpenAI のサーバーに送信して内容を解析、要約テキストとしてパソコン上に保存します。撮影した画像は 6 時間後に自動削除されます。利用するには Apple Silicon 搭載の Mac( macOS 14 以降)と、月額 100 ドル(約 1 万 5000 円)の Pro プランへの加入が必要です。
最大のメリットは、 AI との作業を中断・再開するたびに状況を一から説明し直す手間がなくなる点です。「このエラーを直して」「先週作っていたあのファイルの続き」といった曖昧な指示でも、 Codex が画面の文脈を踏まえて的確に応答できるようになります。
OpenAI 社長の Greg Brockman は「使ってみると驚くほど魔法のようだ」と述べています。また Sam Altman は、開発中のコードネームが「 telepathy (テレパシー)」だったことを明かし、「まさにその名の通りの感覚だ」と話しています。
一方、プライバシーへの懸念も無視できません。画面の内容がクラウドで処理される点や、保存されるメモリが暗号化されていない点は、情報セキュリティの観点から注意が必要です。また、悪意のある Web サイトを閲覧した際に AI が意図しない操作を実行させられるリスクも指摘されています。 EU での提供が見送られている背景には、個人データの取り扱いに関する法規制との兼ね合いがあるとみられています。 OpenAI は「画像は処理後にサーバーから削除し、 AI のトレーニングには原則使用しない」と説明しています。
Chronicle は、 Codex を開発者向けのコーディング支援ツールから、より幅広い用途に使える AI ワークスペースへと進化させる取り組みの一環です。調査会社 Gartner は 2026 年までに大企業の 40 %以上が、こうした「画面や状況を常に把握する AI 」の試験導入を始めると予測しており、業界全体の動向とも一致しています。
