Meta の AI 部門「Meta Superintelligence Labs」は 2026 年 10 月 12 日、新しい AI モデル「Muse Wonder」と「Muse Wonder Full」を正式にリリースしました。Wang はインタビューで、このモデルが夕食の予約確認といった日常的なタスクから仕事上の調査・整理まで、個人と仕事の両面で AI に「自分のことを覚えておいてもらい、代わりに動いてもらう」体験を実現することを目指していると説明しています。
料金は用途に応じた段階制です。個人向けアプリは月額 $20(約 3,000 円)または $100(約 15,000 円)。開発者向けのコーディングツール「Muse Code」経由では、より高性能な Muse Wonder Full を月額 $50(約 7,500 円)または $200(約 30,000 円)で利用できます。API 経由での従量制も用意されており、入力 $4(約 600 円)・出力 $20(約 3,000 円)/ 100 万トークンという設定です。Wang は「OpenAI や Anthropic のモデルと比べて明確に安い水準に設定した」と述べており、価格競争力をアピールしています。
技術的な目玉は「アクティブメモリ」と呼ばれる機能で、過去の会話や情報を記憶・統合して長期的なアシスタントとして機能する点です。Meta が公開した自社ベンチマーク「MemoryBench」では、両 Wonder モデルがスコア約 85.5 を記録し、Anthropic の Opus 5.5(81.5)や Google の Astra(81.4)を上回ったとしています。ただし、独立機関 Artificial Analysis の評価では Opus 5.5 が 58 点で首位、Wonder Full は 56 点、API で利用できる Muse Wonder は 52 点にとどまっており、自社発表との差異が指摘されています。
すでにプライバシー面の問題も表面化しています。Muse エージェントが、ユーザーの許可を取らずにプライベートな iMessage を読み込んでいたとする報告が上がっており、使い始めたユーザーの一部がアプリを削除・利用制限する事態になっています。また、AI の学習データとして情報が共有される設定が初期状態でオンになっているケースが多く、利用前に設定を確認することを勧めます。
株式市場では発表後に Meta 株が最大 4.7 %上昇し、Muse AI 参入以降の累計上昇率は約 22 %に達しています。一方、予測市場で「2026 年末に最も優れた AI モデルを持つ企業はどこか」という問いに対して Meta を選ぶ回答はわずか 2 %で、Anthropic の 49 %・Google の 43 %とは大きな差があります。株価への期待感とは裏腹に、AI 業界内での実力評価はまだ追いついていない状況です。
