中国の大手ショート動画アプリ「Kuaishou(快手)」が、OpenAIの「Sora」に類似したテキストから動画を生成するAIモデル「Kling」を発表しました。Klingは、最大2分間の1080p高画質動画をテキストプロンプトから生成可能で、アスペクト比にも対応しており、現実世界の模倣や想像的なシーンの作成ができます。
デモ動画では、砂漠の中で馬をかける様子や、子供が自転車に乗る様子などが公開されており、その品質の高さが注目を集めています。Klingは、Kuaishouが独自に開発したLLMチームによるもので、Soraに似た技術を使用しているとのことです。
現在、Kuaishouの動画撮影・編集アプリ「Kuaiying」で招待制テストが実施されています。Kuaishouは、5月に大規模言語モデル「KwaiYii」とテキストから画像を生成するモデル「Kolors」を発表しており、Klingは同社の最新のAIイノベーションと言えるでしょう。
Kuaishouは、中国で2番目に大きいショート動画アプリであり、約4億人のデイリーアクティブユーザーを抱えています。テキスト・画像・音楽(音声)と続いてきた生成AIの競争は、動画生成AIの分野が次の主戦場となっていくと予想され、コンピューティングパワーの増強によってさらに長い動画の生成が可能になっていくでしょう。中国企業の参入により、米中のAI競争はますます激しさを増していくと考えられます。