Google は 2026年5月12日、「The Android Show: I/O Edition」を開催しました。5月19〜20日に予定されている Google I/O 2026 の 1 週間前というタイミングで、Android の今後を左右する発表が相次ぎました。Android 部門を率いる Sameer Samat 氏は「OS からインテリジェンスシステムへの転換」を宣言しており、AI をスマートフォンだけでなく、ブラウザ・車・ラップトップにまで広げていく方針が明確になりました。
今回の目玉は、新カテゴリ「Googlebook」の発表です。Android と Chrome OS を統合した新しい OS を搭載するラップトップで、Google は「Gemini のために最初から設計した初のパソコン」と説明しています。製造パートナーには Acer・Asus・Dell・HP・Lenovo が名を連ねており、発売は 2026年秋を予定しています。発表資料に「premium(高品質・高価格帯)」という言葉が 4 度登場したことから、価格は従来の Chromebook より上の層を想定していると見られます。
操作面では、Google DeepMind と共同開発した「Magic Pointer」が興味深い機能です。マウスカーソルを画面上で揺らすだけで AI アシスタントの Gemini が起動し、たとえばメール本文の日付をポイントするだけで会議の予定を自動で設定できます。細かな操作なしに文脈を読んで提案してくれる点が特徴です。
車載システムの Android Auto も刷新されます。現在 2 億5,000 万台以上の車両で使われているこの機能に、道路・建物・車線・信号などをリアルタイムで 3D 表示するナビゲーションが加わります。BMW・Ford・Mercedes-Benz など主要メーカーの対応車種では、60fps の Full HD 動画再生も年内に対応する予定です。
そのほかにも、話し言葉で指示するだけでウィジェットを作成できる「Create My Widget」、音声入力の言い淀みや繰り返しを自動で整える「Rambler」、全 4,000 種類の 3D 絵文字刷新、ポスト量子暗号を含むセキュリティ強化、iPhone からのデータ移行ツールなど、幅広いアップデートが発表されました。
ビジネス環境の面では、Microsoft がすでに AI 搭載の Copilot+ PC を展開しており、Google はやや後発での参入となります。また欧州委員会は 7 月をめどに、Android 上の AI 機能を Gemini だけでなく他社のアシスタントにも開放するよう義務付ける裁定を準備中とされており、Googlebook の発売スケジュールと重なることで事業展開に遅れなどの影響が生じる可能性も指摘されています。
