Anthropicは最近、アメリカの政府機関や企業にビッグデータ解析サービスを提供する企業「Palantir」とAmazon Web Services(AWS)と提携し、Claude AIモデルを米国の情報機関および防衛機関に提供することを発表しました。このパートナーシップにより、PalantirのAIプラットフォーム(AIP)上でClaude 3およびClaude 3.5のAIモデルが利用可能になります。
このサービスは、AWS上で、完全に管理されたサービスとして提供され、Impact Level 6(IL6)認証を取得した高度なセキュリティ環境で運用されます。この環境により、機密情報から極秘情報までの取り扱いが可能となります。主な用途としては、複雑なデータの高速処理と分析、パターンやトレンドの特定、文書レビューの効率化、時間に制約のある状況での意思決定支援などが挙げられています。
Palantirが提供するAIシステムのこれまでの実績としては、ある米国の保険会社では78のAIエージェントを活用し、従来2週間かかっていた引受プロセスを3時間に短縮することに成功しました。今回AnthropicのClaudeモデルを活用することでさらに効率的に業務を支援することが期待されています。
最近AI企業と政府機関の連携強化のニュースが相次いでいます。先日はMetaがLlamaモデルを軍事目的で利用することを認めたり、OpenAIが国防総省との関係強化を模索するなど、他社でも同様のニュースが出ています。AI技術がアメリカの国家安全保障の分野でますます重要な役割を果たしています。
トランプ政権の誕生が決定したことで、主に米中の対立を念頭に、今後こうした動きはますます強まってくるものと思われます。