AMDとNVIDIAがAI専用の新型プロセッサを発表

投稿者:

半導体大手のAMDとNVIDIAが、AI(人工知能)に特化した新型プロセッサを相次いで発表しました。

AMDは、ビジネス向けのノートPCおよびモバイルワークステーション向けの「Ryzen PRO 8040シリーズ」と、AI機能を備えたデスクトップPC向けの「Ryzen PRO 8000シリーズ」という2つの新しいCPU(中央演算処理装置)を発表。従来世代と比較して、AIパフォーマンスとエネルギー効率の向上を図っています。

一方、NVIDIAもAMDの発表直後に、「RTX A400」と「RTX A1000」という2つの新しいGPU(グラフィックス処理装置)を公開しました。大別すると、RTX A400は高性能なデスクトップPC用、RTX A1000はラップトップなどモバイルデバイス用にデザインされているようです。いずれもAIアプリケーションの処理能力向上に貢献する、とされています。

HPやLenovoはAMDの新プロセッサを搭載したPCをリリースする予定で、Microsoftも「Windows 11」のOSにおいて、パフォーマンスやセキュリティ機能の向上の面でAMDと協力するとしています。

AMDのヴィクトル・ペン社長は、AI対応PCの販売増加により世界のPC出荷台数が1.5%増加したことを引き合いに、AI対応PC市場がPC業界を再活性化させる可能性があると指摘。Intelのパット・ゲルシンガーCEOもその重要性を強調しています。

AI業界をリードするNVIDIAは、新型GPUで優位に立とうとしており、今回のGPUはAIアプリケーションでの性能は既存のCPUを上回ると主張しています。Bank of Americaのレポートでは、NVIDIAが900億ドル規模のAIアクセラレータ市場の75%以上を獲得し、AMDとIntelが15~20%程度を分け合うと予測されています。

NVIDIAの新型GPUは、製造業や金融トレーディング、コンテンツ制作など、さまざまな専門分野での活用が想定されています。

AIプロセッサ分野では、NVIDIAが注目を集める一方、AMDとIntelも市場でのプレゼンスを高めようと躍起になっています。ライバル同士でありながら、実はAMDのリサ・スーCEOはNVIDIAのジェンスン・フアンCEOの遠縁の親戚という関係にあり、この分野の競争は「親戚対決」の様相を呈してきました。