Amazon、新AIモデル「Olympus」を開発 – 高度な映像解析機能に特徴

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米The Informationが報じたところによると、Amazonが、テキスト、画像、動画を同時に処理できる高度なAIモデル「Olympus」を開発したことが明らかになりました。このマルチモーダルAIモデルは、4,000億から2兆に及ぶパラメーター数を有し、現存する最大規模のAIモデルの一つとして注目を集めています。

Olympusの特徴は、特に動画解析において優れている点にあります。ユーザーはシンプルなテキスト入力で動画内の特定のシーンを検索することが可能で、例えばバスケットボールの試合で「勝利を決定づけるシュート」といったような検索が可能になるとのことです。

Amazonは、このモデルをAWSクラウド上で提供する予定であり、現在AWSで提供されているAnthropicのClaudeへの依存度を下げることも期待されています。また、OpenAIやMicrosoft、Googleなどの競合他社に対抗する重要な戦略的製品となり、特に動画処理分野での競争力強化を目指しているようです。

Olympusの正式発表は、ラスベガスで2日から開催されているAWSの年次カンファレンス「re:Invent」で行われる可能性が高いとされています。このモデルは、スポーツ分析、産業機器の検査、メディアアーカイブの検索など、幅広い用途での活用が期待されており、Amazon独自のAI技術の進化を示す発表として注目を集めています。

Amazonは最近Anthropicに巨額の投資を発表したばかりですが、自社でも独自LLMの開発を進め、1社に依存する度合いを薄めようとしています。具体的にどのようなものになるのかは今後わかってくるかと思いますが、収益の大部分をAmazonのクラウドに頼っているAnthropicにとっては気が気でない発表となります。