米紙 New York Times は 2026 年 10 月 29 日、シンガポールを拠点とするデータセンター企業 Megaspeed の上級幹部 Alice Huang(中国名:黄楽)が、中国政府のために情報収集を行っていた人物(スパイ)として米当局の調査対象になっていたと報じました。
Alice Huang は Nvidia CEO の Jensen Huang との親しい関係をSNSで積極的に発信し、投資家へのアピール材料として使っていたとされます。米情報機関が彼女を監視する過程で、ある米国籍の人物との接触が浮かび上がり、それが Jensen Huang 本人だと特定されました。2024 年 6 月には、台湾・台北のテクノロジー展示会の後に 2 人がバーでウイスキーを飲む写真がSNSに投稿されています。その数週間後から、 Megaspeed が Nvidia の最先端チップを数百万ドル規模で調達し始めたことも明らかになっています。
当局の懸念は技術情報の流出だけにとどまりませんでした。Jensen Huang がトランプ大統領と近しい間柄にあることから、Alice Huang が彼を接点として、政権の対中政策に関する情報まで収集していた可能性が問題視されていたのです。
Megaspeed のマレーシア系列会社は、 2024 年 6 月から 2026 年 2 月の間に少なくとも 48 億ドル(約 7,200 億円)相当の AI 機器を購入しています。同規模の企業とはとても釣り合わない金額です。調査の直接のきっかけは 2024 年末で、商務省の職員がマレーシアのデータセンターを訪問した際、大量の Nvidia 機器が未開封のまま放置されているのを発見しました。その後、捜査は本格化し、 2026 年には刑事事件として司法省が正式に捜査を引き継いでいます。
トランプ大統領はおよそ 1 年前にこの件のブリーフィングを受けていましたが、 Nvidia のビジネスや株式市場への影響、そして北京との貿易関係への余波を懸念し、あえて動かない選択をしたと報じられています。
Nvidia は Megaspeed をアジアにある通常の顧客の一社と位置づけており、チップが中国に横流しされていたとする疑惑については「昨年の徹底調査で否定された」としています。 Jensen Huang も CNBC のインタビューで、 Alice Huang との関係は普通のビジネス上の付き合いだったと語りました。この報道を受けて、 10 月 29 日の Nvidia 株は 1.23 % 下落しています。
