OpenAI の CFO Sarah Friar 氏は 2026 年 8 月 14 日、投資家向け会議で法人向け収益が個人向け収益を上回ったことを明らかにしました。「年初は個人向けが 60 、法人向けが 40 という比率だったが、法人向けが想定以上に伸び、比率が逆転した」と説明しています。もともと社内では 2026 年末ごろの逆転を見込んでいたため、半年近く前倒しでの達成となります。
財務面での勢いも際立っています。年換算収益( ARR )は 400 億ドル(約 6 兆円)超のペースで推移しており、 2025 年末からほぼ倍増しました。執行社長の Greg Brockman 氏によれば、 7 月の 1 カ月だけで年換算の収益ペースが 20 %以上伸び、法人顧客からの収益は同月に 32 %増加しています。
法人向け事業を支えているのは、セキュリティやコンプライアンス機能を強化した ChatGPT Enterprise と ChatGPT Work 、そして使った分だけ課金される API モデルです。 AI によるコーディング支援ツール Codex も急拡大しており、 2026 年 4 月時点の利用者数は 1 月と比べて 6 倍に増え、毎週 200 万人以上の開発者が活用しています。
この週は経営幹部の交代も続きました。最高収益責任者( CRO )の Denise Dresser 氏が入社からわずか約 9 カ月で退任し、後任にはサイバーセキュリティ大手 Wiz の元社長兼 COO である Dali Rajic 氏が就く見通しです。また、 COO の Brad Lightcap 氏も 8 年間の在籍を経て退社し、新たな事業を立ち上げると発表しました。
ただし、財務上の課題は依然として重くのしかかっています。 Microsoft への支払い(クラウド利用・収益分配等) 172 億ドル(約 2 兆 5,800 億円)をはじめとする多額のコストが響き、 2025 年の実質的な営業損失は約 80 億ドル(約 1 兆 2,000 億円)に上りました。価格競争も厳しさを増しており、米国向けモデルの価格は 7 月中旬以降、約 4 分の 1 まで下落しています。 DeepSeek など低コストの中国系モデルが台頭する一方、企業向け AI 支出に占める OpenAI のシェアは 2023 年の 50 %から 2025 年には 27 %へと縮小し、 Anthropic や Google が着実にシェアを伸ばしています。こうした財務上の問題を抱える中、株式公開( IPO )の時期については、 SEC への機密申請を理由に「現時点ではコメントできない」と回答するにとどまりました。
