米国の防衛・テクノロジー企業 Palantir Technologies は、2026 年 4 月 18 日、CEO の Alex Karp と Chief of Corporate Affairs の Nicholas Zamiska による共著『The Technological Republic』の内容を凝縮した 22 項目のマニフェストを X(旧 Twitter)に投稿しました。同書は 2025 年 2 月 18 日に Crown Currency 出版社から刊行されており、今回の投稿は出版 1 周年を記念したものとみられています。投稿は 3,200 万回以上の表示を記録しました。
マニフェストの中心的な主張は、Silicon Valley は自社の成長を支えた国家に対して「道義的債務(moral debt)」を負っているというものです。「核の時代は終わりつつあり、次の抑止力の時代は AI によって構築される」とも述べ、米国のテック企業は AI 兵器の開発に参加すべきであり、従業員の抵抗に屈してはならないと訴えています。また、戦後ドイツの非武装化はやり過ぎだったとして、ドイツや日本の再軍備を支持する姿勢も示しています。
Palantir は 2003 年に Alex Karp と Peter Thiel が CIA のベンチャーキャピタル部門「In-Q-Tel」の支援を受けて設立した企業です。2025 年の売上高は 48 億ドル(約 7,200 億円)、利益は 16 億 3,000 万ドル(約 2,445 億円)に達しており、同年の米連邦政府との契約額はほぼ倍増して 9 億 7,050 万ドル(約 1,458 億円)となりました。移民追跡 AI プラットフォーム「ImmigrationOS」の構築でも 3,000 万ドル(約 45 億円)の契約を受注しており、事業と政策の関係が問われています。
これに対して各界からは批判的な意見が出ています。英国国会議員の Victoria Collins 氏(自由民主党)は「スーパーヴィランのたわごとのように聞こえる」と述べ、調査報道サイト Bellingcat の創設者 Eliot Higgins 氏は「この 22 項目は哲学的な主張ではなく、収益が政治的立場に依存している企業の公式イデオロギーだ」と指摘しました。ベルギーの技術哲学者 Mark Coeckelbergh 氏はこれを「テクノファシズムの事例」と評しています。
マニフェスト公開後の株価への影響は限定的で、週明け 4 月 20 日の終値は約 145.89 ドル(約 21,884 円)と前日比 0.34% の小幅な下落にとどまりました。株価収益率は 220 倍超で取引されており、今後の政府契約の行方とともに市場の注目が続いています。
