米財務省とFRBが銀行CEOを緊急招集、AnthropicのAIモデルが発見したサイバーリスクを協議

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2026年 4月 8日(火)、米財務省で異例の緊急会合が開かれました。財務長官スコット・ベッセントと FRB 議長ジェローム・パウエルが、米国主要銀行のトップを集め、 AI 企業 Anthropic が開発した未公開モデル「Claude Mythos Preview」が引き起こしうるサイバーリスクについて協議したのです。

銀行幹部たちはもともと別の業界会議のためにワシントン D.C. に滞在中でしたが、この問題の緊急性から特別会合が別途設けられました。出席したのは、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴの各 CEO です。なお、 JPMorgan のジェイミー・ダイモン氏だけが欠席しています。

なぜこれほど事態が深刻視されているのか。 Claude Mythos Preview は過去数週間で、 Windows や macOS 、主要ブラウザなど広く使われるソフトウェアに潜む脆弱性を数千件も自律的に発見しました。しかも 4月 7日時点で、そのうち 99% 以上がまだ修正されていません。中には発見から 17 年間、誰にも気づかれなかった欠陥もあり、悪用されれば外部から管理者権限を奪われるリスクがあります。こうした脆弱性が意図的に悪用された場合、金融インフラへの被害は計り知れません。

この状況を受け、 Anthropic は同日「Project Glasswing」を立ち上げました。攻撃者より先に脆弱性を発見・修正していくことを目的とした取り組みで、 Amazon Web Services 、 Apple 、 Google 、 Microsoft 、 NVIDIA 、 JPMorganChase など 12 社が参加しています。 Anthropic は最大 1 億ドル(約 150 億円)分の利用枠を提供するほか、オープンソースのセキュリティ団体に 400 万ドル(約 6 億円)を寄付する方針です。

ただし、 Anthropic をめぐる米政府の対応は一枚岩ではありません。財務省と FRB がそのリスクを深刻に受け止める一方、国防総省は同社を「調達上のリスク」と位置づけ、政府関連企業による Anthropic 製品の使用を全面禁止しています。自律型兵器や国内監視への AI 活用に同社が反対したことが背景にあり、 Anthropic はこの決定を不服として法廷で争っています。同じ政府内で評価が真っ向から割れるという、異例の構図が続いています。