Amazon 株主書簡 2025:AWS の AI 収益が年間換算 150 億ドル超と初公開

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Amazon の CEO アンディ・ジャシー氏は 2026 年 4 月 9 日(木)、2025 年度の株主書簡を公開しました。今回の書簡の最大のトピックは、AWS の AI サービスがどれだけの売上を生んでいるかを同社が初めて具体的な数字で明らかにしたことです。

2025 年通期の業績は堅調でした。売上高は前年比 12 % 増の 7,170 億ドル(約 107 兆 5,500 億円)、営業利益は 17 % 増の 800 億ドル(約 12 兆円)と、いずれも二桁成長を達成しています。クラウド事業を担う AWS 全体では、2025 年 Q 4 時点の年間収益換算レート(Annual Run Rate)が 1,420 億ドル(約 21 兆 3,000 億円)に達しました。

なかでも注目を集めたのが、AWS の AI サービス単体の収益です。2026 年 Q 1 時点での年間収益換算レートは 150 億ドル(約 2 兆 2,500 億円)を超えており、これは Amazon として初めて公表する数字です。ジャシー氏は「AI ほど短期間でここまで普及した技術はない」と述べています。競合の Microsoft も自社 AI ビジネスの年間収益換算レートが 130 億ドル(約 1 兆 9,500 億円)を超えたと発表しており、クラウド AI の覇権争いは依然として拮抗した状況です。

一方、投資家の間で議論を呼んでいるのが 2026 年に予定する約 2,000 億ドル(約 30 兆円)の設備投資です。この規模の支出に対して AI バブルを懸念する声もありましたが、ジャシー氏は「大半は 2027 〜 2028 年に収益として回収できる見通しであり、OpenAI との 1,000 億ドル(約 15 兆円)超の契約をはじめ、複数の顧客からすでに相当規模のコミットメントを受けている」と説明し、バブル論についても「過大評価という見方には同意しない」と明確に否定しました。

自社開発チップの動向も見逃せません。Graviton・Trainium・Nitro といったカスタムチップ事業の年間収益換算レートは 200 億ドル(約 3 兆円)を超え、前年比で 3 桁の成長率を記録しています。最新世代の Trainium 2 はほぼ完売、Trainium 3 は予約が埋まり、Trainium 4 に至ってはリリースまで 18 ヶ月以上あるにもかかわらず相当量が予約済みです。ジャシー氏はさらに踏み込み、現在は AWS 経由でのみ提供しているチップを将来的に第三者へ直接販売する可能性を示唆しました。実現すれば、NVIDIA 製 GPU に依存してきた市場の構図が変わる可能性があります。

書簡公開当日の 4 月 9 日、Amazon の株価は 5.6 % 上昇して取引を終えました。