Anthropic、Google・Broadcomと次世代AI半導体の供給契約を締結——年間売上は300億ドルを超える水準に

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AI スタートアップの Anthropic は 2026 年 4 月 6 日、Google および半導体大手 Broadcom との間で、2027 年以降に稼働する大規模な AI 処理インフラの供給契約を締結したと発表しました。

この契約の核心は、Google が設計した AI 専用プロセッサ「 TPU 」を Broadcom 経由で Anthropic に供給するという三社間の取り決めです。 Broadcom は米証券取引委員会( SEC )への届出で、2027 年以降に約 3.5 ギガワット分の処理能力を Anthropic に提供することを明らかにしました。これは昨年 10 月に発表した既存の Google Cloud 契約( 2026 年稼働予定の 1 ギガワット分)に上乗せされる規模であり、 Anthropic が AI 処理基盤の大幅な拡充を進めていることがわかります。なお、この拡張分の利用は Anthropic の業績が一定水準を維持することを条件としています。

Anthropic はこれらのインフラを主に米国内に設置する方針で、 2025 年 11 月に表明した米国の AI 基盤への 500 億ドル(約 7 兆 5,000 億円)投資計画の一環と位置づけています。

ビジネス面での成長も際立っています。 AI アシスタント「 Claude 」の企業需要は 2026 年に入って一段と加速しており、年換算の売上規模は 300 億ドル(約 4 兆 5,000 億円)を超えました。 2025 年末時点の約 90 億ドル(約 1 兆 3,500 億円)から、わずか数か月で 3 倍以上に拡大した計算です。年間 100 万ドル(約 1 億 5,000 万円)以上を支払う大口の法人顧客数も、 2 か月足らずで 500 社から 1,000 社超へと倍増しています。資金調達でも 2026 年 2 月に 300 億ドル(約 4 兆 5,000 億円)を確保し、企業価値は 3,800 億ドル(約 57 兆円)に達しています。

一方で、米国政府との関係には摩擦が生じています。国防総省は 2026 年 3 月上旬、 Anthropic の技術を「サプライチェーンリスク」と位置づけ、防衛関連企業に対して Claude を使用していないことの証明を求めました。背景には、「一般市民への大規模な監視には使わない」「自律型兵器には使わない」という Anthropic の方針と国防総省の要求が折り合わなかったことがあります。現在は訴訟中であり、国防関連の契約からは除外されているものの、その他の政府機関との取引は継続できる状態です。

業界の専門家は、今回の提携の本質的な強みは処理能力の量だけにあるのではないと指摘しています。一般的な AI 企業は Nvidia の GPU を汎用的に調達して使いますが、 Anthropic は Google と共同で TPU の設計段階から自社モデルとの最適化を進めています。こうした垂直統合型のアプローチが、 OpenAI や Meta といった競合との差別化要因になると見られています。