Bland AI が「 Norm 」を公開——エンジニアなしで AI 電話対応を立ち上げ可能に

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音声 AI サービスを展開する Bland AI は、2026 年 3 月 26 日、自然な文章を入力するだけで即座に運用できる AI 電話エージェント(カスタマーサポートエージェント)を作れるツール「 Norm 」を正式に公開しました。追加費用なく、現行の Bland サービス料金の範囲内で利用できます。

これまで AI 電話エージェントの構築には、通話特有の技術的な知識や相応の開発期間が必要でした。たとえば、会話の間合いや割り込みへのリアルタイム対応など、チャット AI とは異なる難しさがあり、専門のエンジニアに頼らなければ対応できないケースも少なくありませんでした。 Norm はそうした壁を取り除くことを目的として開発されています。

使い方はシンプルで、チャット画面に「 Cal.com と連携した予約受付エージェントを作って」といった要望を入力するだけです。すると Norm が必要な設定を自動で組み上げ、 Web サイト・電話・ SMS のいずれの窓口にも対応できるエージェントを生成します。応対シナリオの細かい分岐や外部システムとの連携も、コードを書かずに設定できます。

公開前の品質確認も機能として備わっています。変更内容は本番環境とは切り離された領域に保存されるため、担当者は修正前後の差分を確認してから反映できます。また、仮想の発信者を使った模擬通話シミュレーションにより、実際の顧客対応が始まる前に想定外の応答パターンを発見・修正することも可能です。

CEO の Granet 氏は、顧客を人のサポート担当者につなげないための手段としてボイスエージェントを導入している企業が多い現状を問題視しています。同氏は「 AI が顧客と口論したり、担当者へのエスカレーションを妨げたりするような使われ方は避けたい」と述べており、顧客体験の向上を軸に据えた製品開発を続ける姿勢を示しています。

Bland AI は 2023 年創業のサンフランシスコ本社で、 250 社以上の企業顧客を持ち、これまでに 6000 万件以上の AI 通話を処理してきた実績があります。累計調達額は 6500 万ドル(約 97.5 億円)で、直近のシリーズ B では Emergence Capital 主導のもと 4000 万ドル(約 60 億円)を調達しています。音声 AI 市場は 2034 年までに 475 億ドル(約 7 兆 1250 億円)規模に拡大すると予測されており、今後の展開が注目されます。